ボルボ・カー・グループのホーカン・サムエルソン CEOは次のように述べている。
「ボルボ・カーズは、今も昔も安全性においてのリーダーですが、この車両の導入により次世代におけるクルマの安全性を定義することになるでしょう。このハードウェアを標準装備することで、オンラインで安全機能を継続的にアップデートしていくことにより、高度な自律走行システムが実現でき、安全性における当社のリーダーシップをさらに強化することができます」
ボルボ・カーズは、この新しい安全パッケージにより、衝突事故の減少を目指しており、オンラインによる継続的なソフトウェア・アップデートにより、時間の経過とともに衝突事故の減少率が加速することが予想される。この新技術は、今日の重傷者や死亡者の大部分を占める交通状況に特化して設計されている。
ヘンリック・グリーンCTO(最高技術責任者)は、「より安全なクルマを提供するために、長期的には衝突をゼロにし、事故を完全に回避することを目指しています。オンラインを通じての継続的なアップデートにより安全技術を継続的に改善していくことで、衝突がますます稀になり、より多くの命を救えると考えています」と述べている。
この技術は、一度導入されれば時間の経過とともに成熟し、より高性能になっていくことで、安全上重要な状況下でドライバーの能力をアシストし向上させることができるようになると期待されている。これまでの技術では、差し迫った危険に対してドライバーへの警告が中心だったが、この新しい安全技術は、衝突を防ぐために必要に応じて介入することできるようになる。それと同時に、ボルボ車が関与する自動車事故がますます少なくなることで、保険料が安くなるというメリットも期待できる。すべてのボルボの電気自動車に標準装備されるケアパッケージには、適用可能な地域においては任意保険が含まれている。
ボルボの次期フラッグシップモデルには、センサー群とAIコンピューティングの性能に加えて、ステアリングやブレーキなどの主要機能のバックアップシステムが搭載され、安全でドライバーの監視を必要としない自律走行が可能なハードウェアが用意される。
これらのバックアップシステムは、LiDAR、コンピューター、ソフトウェアとともに、ボルボ・カーズの自律走行ソフトウェア開発会社であるZenseactと共同で自社開発したハイウェイ・パイロット機能を実現する。高速道路での自律走行機能であるハイウェイ・パイロットは、それぞれの地域や状況に応じて、安全かつ法的に許可されていることが確認された場合に、作動させることができる。
今年初め、ボルボ・カーズは、NVIDIAの技術を用いて車載コンピューターを集中管理すると発表した。NVIDIAの技術を採用したコア・コンピューターと自律走行用コンピューターは、オンラインでのアップデートにより、ボルボ車をより安全に、よりパーソナルに、より持続可能にすると同時に、視覚機能(Vision)とLiDARの処理に必要なコンピューティング・パワーを提供する。
この新しい安全技術は、ボルボ・カーズが、Luminar、NVIDIA、Zenseactなどのテクノロジーリーダーと協力して、最も安全なクルマを顧客に提供するという信念を示している。これらのパートナーシップやその他のパートナーシップにより、ボルボ・カーズは、急速に変化する業界で最も動きの早い企業のひとつとなるための技術基盤を得ることができる。