パナソニックとパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、佐江戸事業場に、Sub6帯域(4.6 GHz~4.9 GHz)を活用したローカル5G SA(スタンドアローン)システムやマルチアクセス制御の実証や検証を行えるラボを開設した。パナソニックでは、顧客との共創の場として2018年にカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、多くの顧客に活用されているが、Network Connect Labは、顧客やパートナー企業にさらに踏み込んだ実証、検証を行える場として開設した。

 Network Connect Labは、実験試験局免許を取得したローカル5Gの通信エリアであり、測定器などの設備も活用し、ソリューションや製品のシステム評価が可能な環境を提供する。具体的には、ローカル5Gによるロボットアームの遠隔操作や、変動の激しい無線環境下での映像伝送ソリューションといったデモ環境に加えて、複数の基地局、移動局の通信状態をモデル化し、システム全体の機能や性能の可視化を可能にする無線システムシミュレータもご用意した。これにより、具体的なユースケースを実感できる。




 パナソニックの無線システムシミュレータは、長年にわたってモバイル通信機器、システム開発にたずさわり実績を積んだシミュレーションモデルを組み込んだ自社開発のシステムレベルシミュレータであるため、顧客環境に合わせた様々なカスタマイズを加え、顧客にとって最適な提案を提供することが可能である。大手通信キャリア様、大手法人向けに本シミュレータを活用した多くの解析結果納入実績がある。




 パナソニックのラボでは、訪問する顧客及びパートナー企業に、様々なアプリケーションの実証及びデモンストレーションを行い、広くローカル5Gやその他無線ネットワークの有用性を体感してもらうフィールドとして利用して欲しいと考えている。




 2021年2月17日に発表した新事業、「現場マルチネットワークサービス」は、ネットワーク、ソフトウェア、エッジデバイスなどのソリューション群を顧客の課題に合わせて提案し、導入支援・構築・運用サポートまでを一体的に提供するサービスだ。2022年4月よりローカル5G、プライベートLTE、Wi-Fi6など複数の無線ネットワークを1つの5Gコアで制御し、統合的に提供するビジネスモデルをかかげており、その技術開発も進めていく。また本事業においては、ネットワークシステムのみでなく、5G含む各種無線ネットワークを受信できるエッジデバイスや、それらを制御する業界別アプリケーションも併せて提供しており、順次end to endでネットワークからアプリケーションまで、統合的な検証も行える場にしていく方針だ。

Network Connect Labの概要

(1) ローカル5G、プライベートLTE、Wi-Fi等、マルチなネットワークでの検証環境を準備


(2) 顧客のユースケースを持込んでの検証が可能


(3) 顧客の現場課題を持ち寄り、パナソニックのエッジデバイスやソリューションで解決策を提案

2. 主な提供内容

【検証スペース】


5Gや LTEを活用した検証や、高速・大容量の機能を検証するスループット測定など、顧客やパートナー企業が持ち込んだ機器やアプリケーションの動作検証を行うスペースを提供




【検証できる無線ネットワーク、設備】※2021年6月時点


・ローカル5G


・自営等BWA(シールドテント(※)内での対応)


・sXGP


・Wi-Fi


・シールドテント


・無線システムシミュレータ




【共創スペース】


検証後の打合せや商談などが行えるスペースを提供




※ 外来ノイズの影響を受けず、外部へ電波を漏らさないよう設計された設備

3. 今後の展開

「現場マルチネットワークサービス」を通じて現場の様々な課題解決に取り組み、検証済のソリューションやテクノロジーを随時追加・公開していくことを検討している。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 パナソニック:Network Connect Labを開設 ~ローカル5G含む業界初のマルチアクセス制御技術を磨く~