たとえば「エスティマ 3.5 G 2009年式、走行4万7000kmで車両本体価格54万円」というようなものがある。
2006年から2020年の販売終了まで2008年、2012年、2016年と大きく3回のマイナーチェンジがあり、そのたびに内外装のデザインが変更されているため、3代目エスティマを選ぶ際は自分の好みのデザインから先に決めるのも良いだろう。
全長×全幅×全高(㎜)=4795×1800×1730
ホイールベース(㎜)=2950
エンジン:3.5ℓ V型6気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:280ps(206kW)/6200rpm
最大トルク: 35.1kg・m(344Nm)/4700rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):1770
新車価格:321万3000円
※2006年発売当時のスペック
ホンダ・エリシオンは、2004年に発売されたホンダの最上級ミニバンだ。アルファードやエルグランドなどと比べてすっきりとしたシンプルなデザインで登場したのだが、日本では押し出しの強いデザインの方が好まれる傾向にあり、ライバルと比べると販売台数がそこまで伸びなかった。そこで2007年のマイナーチェンジ時に追加されたのが、「エリシオン プレステージ」だ。エクステリアデザインは「アグレッシブ&ダイナミック」をコンセプトに、圧倒的な走りの強さを、迫力のあるスポーティなスタイルで表現。インテリアには、インストルメントパネルと一体化した大型センターコンソールを備え、パーソナル感があり上質で存在感のあるデザインが採用されている。標準のエリシオンをベースにしたとは思えないほどの迫力で、全く別の車に見える。また特筆すべき点は3列目の乗り心地の良さ。3列目とは思えないほどシートが分厚くサイズもたっぷり(その分収納性は悪い)。何時間乗っても疲れず、筆者がこれまで座ったミニバンのなかでナンバーワンの乗り心地の良さだった。
エンジンは、標準モデルが2.4ℓと3.0ℓのNAエンジンが設定されたのに対し、プレステージにはレジェンドと同様の3.5ℓ VTEC NAエンジンが設定された(のちに2.4ℓモデルも設定)。このV6エンジンがとにかく気持ちいい。最高出力300ps、最大トルク353Nmというスペックを見ただけでも想像できるが、2トン近い大柄な車体をぐいぐい引っ張っていく。低回転域から高回転域まで全域にわたり強力なトルクを生み出すエンジンのおかげで、市街地から高速走行までゆとりのある走りが味わえる。6人が快適にどこまでもドライブしたくなるようなプレミアムミニバンだ。
平均中古価格は約55万円。
たとえば「エリシオン 3.5 プレステージ SG HDDナビパッケージ 2008年式、走行4万5000kmで車両本体価格75万円」というようなものがある。
燃費が悪いことに目を瞑れば、6人が快適に過ごせるシートの乗り心地の良さと、車内の広さ、力強いエンジン。エリシオン プレステージは高次元でバランスのとれたおすすめのミニバンだ。
全長×全幅×全高(㎜)=4920×1845×1790
ホイールベース(㎜)=2900
エンジン:3.5ℓ 水冷V型6気筒SOHC24バルブ
駆動:FF
最高出力:300ps(221kW)/6200rpm
最大トルク:36.0kg・m(353Nm)/5000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:5AT
車重(kg):1940
新車価格:395万8500円
※2007年発売当時のスペック
MPVは1990年1月に日本初の本格ミニバンとして発表以来、先進的なパッケージング、高い機能性で人気を博したモデルだ。今回紹介する3代目MPVは、単に使いやすくスタイリッシュなミニバンにとどまらない、高い動力性能や操縦性を持ついわば「スポーツカーの発想でミニバンを革新した『次世代ピープルムーバー』」を目指して開発されたクルマだ。ミニバンとして理想の室内空間を確保しながら、ロングホイールベース化と2代目と比べて全高を60mm下げた低車高化により、従来のミニバンにはないロー&ワイドでスタイリッシュなプロポーションを実現しているのも大きな魅力のひとつだ。また全高は1685mmと1700mmに収まるがスライドドアが採用されており、乗降性が高いのもポイントだ。
パワートレーンは最高出力163psを発生する2.3ℓNAエンジンと、245psを発揮する2.3ℓターボエンジンのふたつがラインアップされており、スポーツミニバンを求めるならおすすめはターボモデルだ。このエンジンはMPV用にチューニングが施され、大排気量V6エンジンに匹敵する高トルク/高出力を実現した。新設計の高剛性ボディと新開発のマクファーソンストラット式(フロント)およびマルチリンク式(リヤ)サスペンションを採用。ミニバンの常識を超えるハンドリング性能、操縦安定性を体感することができる。またアクセルを踏むとぐいぐいと加速し、その1800kgある車重を感じさせない。ターボもショックや効きが強すぎることもなく自然に加速を味わえるNAのような性格で遠くまで家族6人でドライブするのに最適な一台といえる。
平均中古価格は約40万円。
たとえばターボモデルだと「MPV 23T 2006年式、走行4万kmで車両本体価格50万円」というような中古車がある。
乗降性も高く3列目までゆったりと座れるスポーツミニバンを求める方におすすめの一台だ。(このモデルは2008年にパワステの不具合でリコールが出されたので購入を検討する際はしっかりチェックしよう)
全長×全幅×全高(㎜)=4870×1850×1685
ホイールベース(㎜)=2950
エンジン:2.3ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ
駆動:FF
最高出力:245ps(180kW)/5000rpm
最大トルク:35.7kg・m(350Nm)/2500rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):1800
新車価格:280万円
※2006年発売当時のスペック
日産プレサージュは、ホンダ・オデッセイのライバルとして1998年に初代が登場した。今回紹介するのは2003年に発売された2代目。2代目は新たにスライドドアを採用し、トヨタ・エスティマのライバルとして登場した。エクステリアデザインテーマは、インテリジェントダイナミズム。低いフロアを活かし、流れるようなシルエットと広いインテリアスペースを両立し、アクティブでダイナミックなフォルムが実現されている。スポーティーグレードのハイウェイスターは、標準車の流麗さと脚周りのスタンスの良さをベースに、専用フィッティングパーツにより下半身にボリュームを持たせ、一段とスポーティさが高められている。注意が必要なのは、2006年のマイナーチェンジの前と後では内外装が大きく違うこと。エクステリアは、前期型が初代ティアナと共通のデザインが採用されていたのに対し、後期モデルは一転、初代フーガを連想させるようなデザインとなった。インパネもフルモデルチェンジ並みにデザインがまったく異なるので、中古を選ぶ際はデザイン重視で決めるのも良いだろう。スポーティさを求めるなら後期型だ。
プラットフォームは、初代ティアナと共通の「FF-Lプラットフォーム」をベースに、しっかりとした脚周りを確保し、セダン感覚の運動性能と快適な乗り心地を味わえる。フロントサスペンションには、路面から伝わる微振動を抑制し、接地性を高めるリップルコントロールショックアブソーバーを採用、リヤはマルチリンクサスペンションとし、快適な走りと操縦安定性を実現した。
パワートレーンは2.5ℓ直4と3.5ℓ・V6の2種類のNAエンジンを採用した。実用域では2.5ℓで充分。スポーティとまではいかないものの、ミニバンとは思えないほどの踏ん張り感と脚周りのしなやかさを両立している。さらに余裕のある走りが欲しいなら3.5ℓエンジンがある。NAエンジンの自然な加速の伸び感や高速域での余裕さを感じられる。
平均中古価格は約28万円。
たとえば「プレサージュ 3.5 350ハイウェイスター 2008年式、走行5万7000kmで車両本体価格31万円」というようなところが標準的な中古相場だ。
ただし3.5ℓモデルは、タマ数が極端に少ないので注意が必要だ。
全長×全幅×全高(㎜)=4840×1800×1685
ホイールベース(㎜)=2900
エンジン:3.5ℓ V型6気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:231ps(170kW)/5600rpm
最大トルク:34.0kg・m(333Nm)/2800rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1770
新車価格:272万円
※2003年発売当時のスペック
今回は80万円で狙えるスライドドア ミニバンを紹介した。80万円といえどもそれぞれの性格はさまざまだ。ただし、注意が必要なのは、燃費。走りに振ったミニバンは、現代の視点で見ると、やはり燃費は良いとはいえない。ぜひ好みにあった楽しい一台を見つけていただきたい。