すでに発表されているバッテリー供給契約と合わせて、ノースボルトとのパートナーシップはボルボ・カーズの野心的な電動化計画を推進するヨーロッパでの必要量のバッテリーを確保することになる。ボルボ・カーズは、この10年の半ばまでに総販売量の50%の電気自動車(BEV)を販売し、2030年には電気自動車(BEV)のみを販売することを目指している。
現在、ボルボ・カー・グループの電気自動車(BEV)用のバッテリーの生産は、自動車のライフサイクル全体の二酸化炭素排出量の大部分を占めている。同グループは、持続可能なバッテリー生産のリーダーであるノースボルトと協力し、ヨーロッパの製造施設の近くでバッテリーを生産することで、将来の自動車のためのバッテリーの調達と生産に起因する環境負荷を削減することができる。
ボルボ・カー・グループの最高経営責任者であるホーカン・サムエルソン氏は次のように述べている。
「ノースボルトと協力することで、我々が電気自動車に移行するために、高品質でより持続可能なバッテリーセルの供給を確保することができます。ノースボルトと密接に協業することで、当社の社内開発能力を強化することもできます」
100%クリーンエネルギーで稼働することが計画されている新ギガファクトリーでは、約3000名の雇用が見込まれている。新工場の場所は未定だが、この合弁会社で開発されたバッテリーセルを搭載する最初の車は、ボルボ・カーズのベストセラーモデル「XC60」の電気自動車(BEV)になる予定とのこと。
ノースボルトの共同設立者兼CEOであるピーター・カールソン氏は、「ボルボ・カーズとポールスターは、電動化への移行において業界をリードする企業であり、世界で最も持続可能なバッテリーセルの開発と生産を目指す私たちのこれからの旅における完璧なパートナーです。ヨーロッパにおける両社の独占的なバッテリーセル生産パートナーになれることを誇りに思います」と述べている。
ノースボルトとのパートナーシップは、2030年までにプレミアム電気自動車の分野でリーダーとなり、電気自動車のみを販売するというボルボ・カーズの高い目標にとって重要なものだ。また、真の技術リーダーとのパートナーシップと相まって、ボルボ・カー・グループの自社開発能力を拡大するための重要なステップとなる。
ポールスターにとっては、欧州での成長をさらに後押しするものであり、2030年までにクライメートニュートラルなクルマを作ることを目標としたポールスター0(ゼロ)プロジェクトへのコミットメントを明確にするものとなる。
ボルボ・カーズの最高技術責任者(CTO)であるヘンリック・グリーン氏は、「次世代のバッテリーセル技術をノースボルトと共同で自社開発することで、ボルボとポールスターのドライバーに特化したバッテリーを設計することができます。当社の電気自動車用に自社開発したセルを使うことにより、ボルボとポールスターのお客様が求める、最適な航続距離や短い充電時間などの実現に注力することができます」と述べている。
そして産業オペレーション・品質部門の責任者であるハビエル・ヴァレラ氏は「2030年までの全面的な電動化に向けて、ノースボルトとのコラボレーションは、当社の産業ネットワークにとって重要なステップです。バッテリーは電気自動車において最も重要な部品のひとつであり、ノースボルトとの提携により、ヨーロッパにおける高品質で持続可能なバッテリーの効率的で費用対効果の高いサプライチェーンを確保することができます」と述べている。
なおボルボ・カーズは、6月30日に開催される「ボルボ・カーズ・テック・モーメント」において、将来の技術ロードマップの詳細を明らかにする予定だ。