5月末に山梨県で開催された、カスタムカーの祭典「ウルトラ・モーター・フェスティバル」。そこで注目を集めていたのが、ポルシェ911のチューニングで世界的に有名なショップ「ラウヴェルト・ベグリフ」が作り上げた創成期の1台だ。その姿、とくとご覧あれ!

ラウヴェルト・ベクリフが初めて手がけた貴重なポルシェ930ターボ

手作業によるボディワーク。

今や世界的にその名を知られるようになったラウヴェルト・ベグリフは、千葉県にあるポルシェ911のチューニングショップだ。オーナーの中井啓氏が1台1台、手作りでボディワークや足回りのセッティングを施すことで知られる。




その中井氏はそもそもAE86カローラレビンでサーキットを走り続けてきた。グリップからドリフトまで自由自在にマシンをコントロールするテクニックは、彼が手掛ける車両同様に有名なところ。




ウルトラモーターフェスティバルの会場には、このラウヴェルト・ベグリフ(頭文字からRWBと呼ばれる)が手がけたポルシェ911が3台も展示されていた。今回はそのうちの1台にスポットライトを当てよう。

独自のボディワーク。

ワーク製18インチアルミホイール。

シルバーのボディに黒いストライプが入れられたポルシェ930ターボには二桁の非常に古いナンバープレートが付けられている。これはと思ってオーナーである青木さんに話を聞くと、なんとこのクルマは中井氏が仕事として初めて製作した車両だという。




青木さんはポルシェ911専門誌にも度々登場する、ポルシェ乗りの間では有名な方。このクルマの前にもRWBによるポルシェ964に乗られていた。のちにRWB964を手放すことになってしまうのだが、2020年に「この930ターボを引き継いで欲しい」と前オーナーから要望されたのだ。

独自形状のオーバーフェンダー。

巨体なリヤウイング。

前オーナーからの申し出に何かの縁を感じた青木さんは、躊躇うことなく930ターボを引き継ぐことにした。それというのも、このクルマが中井氏の個人所有車とは別に、初めて仕事として製作したポルシェだったからだ。




とかくボディのカスタムは流行に左右されて形状を変えていくものだが、この930ターボは現在RWBが製作するボディパーツとほぼ変わらない。いわば普遍的なスタイルであることも理由の一つだろう。特筆すべきは前後のオーバーフェンダーで、RWB中井氏が手作業により組み付けている。海外から要望があれば数週間単位で海外へ飛び、自ら製作しているほどのこだわりなのだ。

930ターボのエンジン。

ロールケージが組まれた室内。

肝心の走りもスタイルに負けない仕様になっている。ベースの930ターボエンジンはポルシェのチューニング界で知らないものはいないといってもいいフロントロウが製作したフルチューニング仕様だ。フロントロウといえば湾岸や最高速ブームの頃からあらゆる車種のフルチューンを手掛けてきた。巨大なインタークーラーが視界を遮って細部まで確認できないが、猛烈なパワーを手に入れている。




またRWBがサーキット出自であることをうかがわせるのが室内。ロールケージが張り巡らせてあり、シートはレカロ製フルバケットが2脚装備されている。この存在感は別格といっていいだろう。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 空冷ポルシェのカリスマ、中井啓率いるラウヴェルト・ベグリフの世界第1号車 ポルシェ930ターボ登場!【12th U.M.F. in KOFU AUTO SALON】