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所有されているFDフォーチュンだが、なんとボディパーツをすべてドライカーボンで作り直すことにされた。ヴェイルサイドで1台のコンプリートカーを作るには2年から3年の歳月が必要になる。その間、ヴェイルサイドのクルマが手元にないのは寂しい。そこでもう1台を作ってもらうことにした。それが『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』で主人公のライバルとして立ちはだかる、ドリフトキング(D.K.)の名を持つタカシ仕様のZ33だったというわけだ。
どれだけヴェイルサイドに惚れ込んでいるかを物語るエピソードである。カーボン仕様のフォーチュンが納車されるまでの間として製作されたZ33は『X3 TOKYO DRIFT』でドリフトキング(D.K.)ことタカシが乗る劇中車仕様。ヴェイルサイドによるエアロパーツを装着して、マットカラーにバイナルグラフィックが施されたボディが最大の特徴だ。
ただ、そっくりそのまま劇中車にしたのではなく、オーナーならではのアレンジも加えている。映画ではヴェイルサイド製19インチ・アルミホイールを履いていたが、同じ製品はすでに廃盤になっている。そこで最新ホイールであるアンドリューレーシング・フォージを選び、サイズを1インチアップの20インチ仕様にしている。
また、ドアノブをブラックにして劇中車と異なる風情を演出しつつ、ドアミラーをガナドールミラーに変更。さらにワンオフでカーボン巻きにしてしまっている。こうしたアレンジが効いて劇中車より高級にすら感じさせるのだ。
フォーチュンが納車されるまでの繋ぎ的な存在なはずだが、まったく手抜きをしないところにヴェイルサイドとオーナーのこだわりを感じる。そのためこのZ33も製作に2年かかったそうだ。
派手な外観に比べて室内は基本的にノーマルのままだから大人しく感じる。ステアリングホイールとシフトノブ、さらには左右のシートをヴェイルサイド製として、センターコンソールにモニターを追加したことが変更点。特別なギミックこそないものの、Z33らしさを味わえる仕様といったところだろう。とはいえ、このZ33は主にイベント参加のために製作したもの。内装を見せることはあまりないから、意図した通りに仕上がっているのだ。