このX3に登場した劇中車で最も注目されたのが、見たこともないスタイルをしたスポーツカー。これこそ2005年に開催された東京オートサロンで話題をさらったカスタムショップ「ヴェイルサイド」が製作したコンプリートカーだった。
フォーチュンと名付けられたコンプリートカーのベースはマツダRX-7(FD3S)。純正のボディへオリジナルのエアロパーツを装着することでワイドなスタイルを実現したのだ。
このフォーチュンを展示したのは、まだ30歳と若いオーナー。映画をみた影響で免許を取る前からFD3Sに憧れ続けてきたそうで、このクルマの前にもFD3Sを手に入れている。ところがこの個体がハズレだったようで、トラブルが多発してしまい、維持するだけでも精一杯な状況になってしまった。
そこで一旦FDを手放して、移動のアシはバイクへ切り替えた。バイクに乗る日々が3年ほど続いたが諦めることはなく、次なるFD3Sの購入資金を貯め続けた。
2018年のこと、フォーチュンを製作するヴェイルサイドへ、すでにフォーチュン化された中古車が入庫する。ベースのFD3Sを持ち込んで製作してもらうと3年近い歳月がかかってしまう。それならば、すでにコンプリート状態になったものを買った方が良いのではないか。そう考えて購入を決断した。
聞くも涙、語るも涙なFD愛、フォーチュン愛。まさにフォーチュンを乗るにふさわしい若きオーナーなのだ。
ただ、映画では最終的にフォーチュンがクラッシュしてしまう。そこでオーナーはフォーチュンが復活した時をイメージして独自のアレンジを加えることにした。それが前後左右に追加したオプションエアロだ。
ただ、使ったパーツはすべてヴェイルサイドが製作するオプションパーツなのだから、違和感はない。それどころか映画公開から15年が経過しているのだから、このように進化するのは当然といえば当然のこと。苦節3年をかけて手に入れたクルマだけに、思う存分カスタムを楽しんでいただきたい。
劇中車では19インチだったヴェイルサイド製のアンドリューレーシング・エボリューションVだが、ここにもオーナーはこだわりを見せる。同じアンドリューレーシングながら2020年に新発売されたフォージドVに変更したのだ。さらにサイズは20インチとし、迫力を増している。
外装はフルにエアロパーツを装着したカスタマイズが施されているが、内装は比較的大人しくまとめている。それもこれも、外装に好きなだけ予算を注ご込みたかったからだろう。ともあれ、ここまで見事な状態を維持しているのだから、オーナーに拍手したくなる。