2019年、追加となった「ツーリング」グレードは、1.5ℓの直噴ターボエンジンを搭載。最高出力は127kW(172ps)と、シリーズ随一の高出力だ。ボディの補強や遮音対策は欧州仕様と共通化しており、走りのしっかり感や俊敏さ、上質な乗り心地もシリーズ最高峰にある。その他のグレードも、デビュー当初の乗り心地の硬さは感じられなくなった。特に「Z」及び「RS」はボディにも補強が加えられたため、上質感や快適性も高まっている。
先行車、対向車、歩行者に対応する衝突被害軽減ブレーキをはじめ、約10~40㎞/hの歩行者事故低減ステアリング、約10㎞/h以下の誤発進抑制機能、約65㎞/h以上で作動する車線維持支援システムなど充実している。
床面は少し高めだが、よじ登るほどではない。前席はAピラーにより頭上が気になるが、少し身体を持ち上げるだけで乗降可能。リヤは開口部下側が狭いが、頭上には余裕がある。
全幅が1.8mに迫るため、ワイドで堂々としたスタンスが目を惹く。「TOURING」は「RS」仕様のボディロアガーニッシュ(グレーメタリック)を纏い、スポーティで上質さが魅力。
ボディカラー:スーパープラチナグレー・メタリック
オプション装備:Gathersナビゲーションシステム/ドライブレコーダー/フロア
カーペット/特別塗装色(3万8500円)
※1は3万8500円高。 ※2は6万500円高。
☆は「RS」系、「TOURING」「Modulo X」への設定なし。
★は「RS」系、「TOURING」「Modulo X」専用色。
△は「Modulo X」への設定なし。
操作系やディスプレイが運転席側に傾けられ、操作性と視認性に配慮している。「インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器」は、一部仕様を除きオプション。中央に大きな速度計を配置するアナログメーターを採用する。
後席は、低くてフラットな床面により足元は広く、空間にはゆとりがある。後席はリクライニング付きでスライドはしないものの、前後席に大人が座ってもフットスペースには余裕が残る。
前席は、やや高めのアイポイントと厚みもある大きなシートが美点で、快適な座り心地が得られる。写真はウルトラスエードの「TOURING」専用コンビシートで、質感の高さを味わえる。
奥行きと荷室高に余裕があり、通常時でも393ℓの荷室容量を誇る。ハイブリッドは、ガソリン車よりもフロアが少し高くなっていて、開口部からフロアまでは後者の方が少し深い。床下には、洗車用品などが入るサブトランクも用意する。
2019年11月には専用カスタマイズアイテムを装備する「ModuloX 」シリーズが追加。ガソリン、ハイブリッドの両方に加えて、「Modulo X」シリーズでは初となる4WD 車も設定している。
最上級グレードの「TOURING 」は、最高出力172 ㎰の1.5 ℓのVTECターボにより力強い加速が得られる。1.5ℓ自然吸気の最高出力は129㎰で、街乗り中心であれば不足はないはずだ。
先進安全装備の「Honda SENSING」は、全車に標準。最廉価仕様は、前席サイドエアバッグとサイドカーテンエアバッグ、前席シートヒーターが未設定。ルーフレールは、上位機種に標準装備かオプションで設定する。
安藤 眞はこう買う!
ホンダ車らしいスポーティな走りを味わいたいなら、「TOURING」がイチオシだが、今のタイミングで買うなら消滅が決定しているi-DCDのハイブリッドを選びたい。7速DCTとモーターアシストによる活発な走りは、向こう5年ぐらいまでは十分通用するだろう。4WDが必要なら「RS」は外れるから、選択肢は「Z」一択だ。
※本稿は2020年10月発売の「モーターファン別冊統括シリーズVol.128 2020年コンパクトカーのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。