REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
取材協力●HVファクトリー https://hvfactory.com/
原付一種の49ccをボアアップ(排気量をアップ)して50cc超~125cc以下の原付二種にする手法=原付二種登録は、原付カスタムの定番中の定番。
排気量49ccのジャイロシリーズを50cc超~125cc以下にボアアップして、原付二種登録することも可能。ただし条件が一つあります。
トレッド幅が460mmを超えるとトライク扱いとなるため、トレッド幅が495mmに設定された4ストのジャイロXやジャイロキャノピーは、原付二種登録が不可。4スト車を50cc超~125cc以下にボアアップした場合は、「側車付きの軽二輪」という扱いになります。
そのため、ジャイロシリーズを原付二種登録するには、トレッド幅が360mmか430mmの2スト車をベースにすることが前提となります。
2スト車のジャイロシリーズをボアアップして原付二種にするためのシリンダー&ピストンキットは、2021年5月現在、KN企画(65.3cc/ボア径Φ46mm)やマロッシ(68cc/ボア径Φ47mm)などからリリース。一方、4スト用は未発売(すべて編集部調べ)。
なお、HVファクトリーでは、4スト用ボアアップシリンダーと、オーバーサイズのオリジナルピストンを組み合わせた「4スト用53ccボアアップキット」を試作中。
この「4スト用53ccボアアップキット」を装着して公道を走るには、上記で説明した通り、「側車付きの軽二輪」となります。価格は取り付け工賃やコンピュータのプログラム変更費等込みで、15万円前後となる模様。
4ストのジャイロシリーズの最高速度は、メーター読みで54km/h。一部メーカーからはプーリーキットも発売されており、最高速アップも期待できそうですが……。
「HVファクトリーでは、あくまでも耐久性を重視。4ストジャイロの場合、今のところ53ccボアアップ以外、ハードなチューンは行いません」
「また、剛性が心配されるロングホイールベース化も、基本的にはお断りしています。チューニングはドレスアップや実用性を重視した、FRP製の外装パーツがメインとなります」
HVファクトリーでは現在、「4スト用53ccボアアップキット」を組み込み、タンデムシートやタンデムステップを装着した、4ストのジャイロキャノピーをベースにした『二人乗り仕様のジャイロキャノピー』を製作中。
同車は側車付き軽二輪=トライク扱いとなるため、普通自動二輪運転免許で運転可能。完成次第、モーターファン.JPでもレポート予定です。