そうはいっても進めたいものは進めたい。残りはハーネスを接続してボディを元に戻すだけなのだから。では早速作業を開始しよう。まずはライトケースの中で剥き出しになっていたハーネスたちを清掃することから始める。分解した当時はハーネスの色がわからないくらい汚れていた。当然接点も汚れているので、なにはなくても掃除だ。
同じようにカバーを外したままだった右グリップにある灯火スイッチの基板も清掃する。ここはスイッチが金属と触れ合うことでライトのオンオフやウインカー、ホーンが導通する。汚れは大敵なのでしっかり清掃しよう。 ライトケースも同様だが、ハーネスと接点を清掃したらよく脱脂して、乾燥してから接点復活剤をスプレーしておこう。こうすることで長年電気が通っていた接点が少しだけ若さを取り戻せる。完成してから「あれ、ウインカーが点かない」なんてことにありうる。転ばぬ先の杖というわけだ。
続いてはハーネスを接続する相手側も清掃を進めよう。まずライトケースの上側を全体的に清掃したら、ケース頂上にあるイグニッションスイッチを取り外す。上側にある丸いリングを緩めれば外せるので、単体にして清掃しよう。先ほどと同じように清掃を済ませたら脱脂して接点部分に接点復活剤をスプレーしておこう。
同じようにヘッドライトも清掃を進める。ライト本体から接点基板を取り外して、ヘッドライトとスモールライトのバルブを2つとも抜いておく。基板単体になったら接点部分を中心に全体を清掃しておこう。特にバルブと当たる接点の先は十分に清掃することが肝心だ。 清掃を済ませたら接点に接点復活剤を塗布しておくのも同じ。また外したバルブを光にかざして球が切れていないか、よく確認しておくこと。球切れしていたら交換しておくと二度手間にならない。
清掃と接点復活剤の塗布が済んだら、いよいよハーネスを元通りに接続していく。ここでモノをいうのが分解する以前の状態だ。分解するときに接続部を撮影しておくと、再接続するときに何色の線をどこに挿せばいいか一目瞭然だからだ。配線図があったとしても、正直わからない部分は出てくるものだし、手に入れた配線図はイタリア語で書かれているので翻訳ソフトで解読している時間がもったいないともいえる。 各部は単体の状態にしたままなのでハーネスを接続する作業もラクだ。イグニッションがケースについたままだったり、ライトの基板にバルブが残ったままだと作業しづらいことこのうえないことになる。
ハーネスが接続できたら、いよいよライトケースを閉じよう。その前にスピードメーターへスピードメーターケーブルを差し込みリングで固定するのを忘れずに。ここは狭いため撮影できなかったのであしからず。 続いてライトの基板へバルブを2つとも戻しておく。この状態だとハーネスの長さは最小限のため、狭い部分でヘッドライトに差し入れることになる。ライトと基盤が合体したらヘッドライトをケース内部とボルトで固定しよう。固定できたらライトケースを被せて、下側から4本のボルトで固定すれば完成だ。
電装系の残りはホーンだけになった。と、分解したとき、ノーズカバーの上側が割れていたことを思い出した。まず裏側もよく水洗いして長年の汚れを落として乾燥させる。続いて割れていた部分を瞬間接着剤で補修する。まぁ瞬間接着剤がいつまで保つかは微妙だが、新品を買うかどうか試すくらいの価値はあるだろう。 またノーズカバーに残っていたホーンも清掃して、同じように接点を接点復活剤で潤滑させておく。これでようやくボディにノーズカバーを戻すことができた。残りはマフラーの接続と燃料タンクの清掃くらいなもの。いよいよベスパレストア計画も終わりが見えてきたぞ!