2020年中盤以降、コロナ禍の影響で宅配サービスの需要が増加。デリバリー車の定番であるジャイロXやジャイロキャノピーの人気が驚くほど急上昇し、新車はもちろん、中古車市場でも注目が集まっている。ここでは神奈川県横浜市にある三輪バイクを知り尽くした「HVファクトリー」に、配達車として不動の人気を確立したジャイロシリーズの、中古車選びに関するポイントを伺った。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)


取材協力●HVファクトリー https://hvfactory.com/

ジャイロ=5万km、10万km走行は当たり前! では中古車選びのポイントは?

ジャイロキャノピー(4スト)のスピードメーター。

 スリーター(三輪=スリー+スクーターを合わせた略語)と呼ばれるジャイロXやジャイロキャノピーなどの三輪スクーターは、デリバリー、営業、サービスなど、業務用として使われるのが定番。レジャー目的で購入する人は少ないのが特徴です。




 そのため中古車の場合、実走行距離が2万km未満の車輌は非常に少ないのが現状。ほとんどの車輌は業務用として毎日使用されていた車輌が多く、中には3年間で10万km以上走っている車輌もあります。




 ジャイロシリーズの場合、低走行距離=程度の良い車輌とは限りません。たとえば3年落ちの高年式物件でも、メーターが1回転(10万km走行)している可能性もあるからです。




 中古車市場にあるジャイロシリーズは、宅配業者などに貸し出された「リースアップ車」が多数を占めるのが現実。ピザ屋さんにリースした場合、5年で新車に入れ替えるのが定番。これらの車両が中古車業者に売却され、中古車市場に流通します。




 仮にピザ屋さんが1年に1万km走れば、5年で5万km。ちなみにウーバーイーツの配達員の中には、1日に100kmや200km、1ヶ月で2000kmや3000km、一年で4万km走る猛者も存在する。




 5万km以上走っているジャイロシリーズの中古車は、一般的に修理が必要な場合が多いのも現実です。仮に『整備済み』と明記された中古車でも、「何をどこまで交換し、直しているか?」をしっかりと確認することが重要でしょう(※注1)。

ジャイロキャノピーのエンジン&駆動系周り。写真はフェンダーを取り外したところ。
中古車を購入する場合、可能であればエンジン&駆動系周りもしっかりと確認したい。
※注1:今回インタビューした「HVファクトリー」は、多走行車輌の場合、再販可能と思える車輌を厳選し、エンジン・クラッチ・ジョイントシャフトをオーバーホール後、トラブルの起こらない性能まで回復させて販売。また、多走行で傷んでいる車輌は、多数の部品を新品に交換。各部の消耗状況から判断出来るもの以外は、低走行車輌として販売していないなど、三輪バイクの専門店ならではの徹底したこだわりがポイント。

具体的なチェック箇所はココ!

スイングジョイント部のロックのへたり(指差し部)は、ディーラーにて修理が必要。修理代は約7万円。

 ジャイロシリーズを中古車を購入する場合、必ずチェックしたいのが、「クランクケース付近に異音がないか?」ということ。スイングジョイント部に不具合やへたりのある車両は、動かした時に異音が発生します。




 スイングジョイント部がダメな時は、静止している時にパーキングロックが外れてしまう=勝手に解除されて自立しない。この場合、スイングジョイントの中にある歯車と、ゴムブッシュの交換が必要。カウル一式を外してのかなり大がかりな修理となるので、費用もかさむ傾向にあります。




 スイングジョイント部は、通常見えない場所にあります。ここのロック部分がへたっていると、乗車部が倒れてしまうなど直立すら不可能な状態に。




 まずは直立させた状態でロックをして、車体を左右に振ってみます。仮にぐにゃんぐにゃんと倒れてしまう中古車は要修理です。

ジャイロシリーズは直立状態+左右の傾斜それぞれ3段階でスイングジョイントのロックがかかるしくみ。写真は左傾斜1段階。
写真は左傾斜3段階。ルーフ付きのジャイロキャノピーは、右タイヤが浮くほど傾斜するのが特徴。

 4ストのジャイロシリーズは、シリンダーとクランクケースの間のガスケットの吹き抜けに注意。不具合車両は、指を差してる部分がエンジンオイルでギトギトになっています。これは下から覗くと、容易に確認可能。デフケースにオイルの滲みがある場合も修理が必要です。




 この場合、車体からエンジンを降ろし、エンジンを分解してガスケットを交換する等の大がかりな作業が必要となるため、HVファクトリーでの修理代は7万円~となります。

 ジャイロキャノピーは大型スクリーン「内側」の傷に注意。デリバリーの配達人がよく、ハンドルとスクリーンの隙間にヘルメットを置いてしまう。もしもスクリーン内側に傷が付くと、ヘッドライトを照射する夜間に前が見えづらくなり、極めて危険です(HVファクトリーには、これによる交換依頼が多い)。




 また経年劣化によって、スクリーンのハードコートが剥がれていることもあり、これも視認性を悪くする大きな要因。HVファクトリーの場合、交換費用はスクリーン代+工賃で7万円前後。市販品の中には数千円の安いスクリーンも存在しますが、一般的にコーティング仕上げが悪いなど粗悪品が多いので要注意。

【優良中古車情報】積載能力も向上!ミニカー仕様のジャイロキャノピー

リヤホイールは純正の8インチ4Jからワイドホイール(8インチ5J)に変更。

超大型のFRP製フルサイズワゴンを装備。車両重量は+15kg程度に抑制。

デリバリーからレジャー用まで様々な用途に適応。

 HVファクトリーが手掛けたミニカー仕様のジャイロキャノピー(中古車)。4スト専用ワイドホイール&タイヤセットや、オーバーフェンダー、大きな荷物の運搬にも重宝する超大型のフルサイズワゴンなどでカスタマイズされています。エンジンや足周りは、完全オーバーホール済み。




年式:2008


エンジン:4ストインジェクション1型


走行距離:47704km(重整備済み)


販売価格:63万9000円




外装新品カスタムパーツ


・国産ウインドスクリーン


・ワイドバイザー


・レッグシールド


・フルサイズワゴン(ピラーレス仕様)


・4st専用ワイドホイール、タイヤセット


・オーバーフェンダータイプ6


・ハンドルグリップ


・シート張替え


・オールペイント(VW:サムライグレーメタ/ブラック)


・エンジンキーセット新品


・ワイパーブレード新品


・ウインカースイッチ新品


・バッテリー新品




■問い合わせ:HVファクトリー https://hvfactory.com/

オーバーフェンダーを装備してホイール&タイヤのワイド化をフォロー済み。
4スト車専用のワイドホイールとタイヤのセットを装備。
荷物の運搬にも重宝する超大型のフルサイズワゴンを装備。
大きな荷物も収納OK。
情報提供元: MotorFan
記事名:「 「ジャイロの寿命(距離)、何万キロまでイケる?」|三輪バイクにまつわる疑問点、一問一答