レポート=竹岡 圭[本文]/塚田勝弘[写真解説] フォト=神村 聖
パッソと言えば、トヨタのいちばん小さいモデルとなる。今はヤリス、これまではヴィッツという名称で親しまれたモデルと、軽自動車の間に位置するモデルだと思ってもらえば、その存在がわかりやすいハズだ。なのでメイン舞台は街なかとなる。14インチタイヤということもあり、最小回転半径も4.6mと小さく、狭いところでの取りまわし的にも、とても利便性が高いのが特徴だ。また、デザインもさることながら空間的にも私のお部屋的なコンセプトが強いものとなっている。外観は、ベーシックな「X」のほかに、よりスマートさと上質さを強めた「モーダ」の二種類のデザインからチョイスすることができ、インテリアも差し色を利かせたモダンなリビングのようなテイストになっている。
フロントシートはベンチタイプを採用。クルマ通りが多い道路や、狭い車庫に止めた時など、右側から乗り降りしにくいシーンなどでも、室内でスッと移動して乗降できるのでフレキシブルに使える。 また小物入れが、至るところに工夫して準備されているのも高ポイント。何かとクルマの中に置いておくと便利なものたちを、隠す収納できちんと仕舞うことができるのだ。後部座席はラクラク遠出というわけにはいかないが、エマージェンシーといった感じではなく、日常使いではまったく問題はない。極端に言えば、自転車代わりに使えるような親しみやすい一台だ。
前席は全車ベンチシートで乗降のしやすさが印象的。後席は一体可倒式の「X 」を除き6対4分割可倒式になる。前後席ともに横方向に余裕が感じられ、後席は足元が広く、前席下への足入れ性も良く足を伸ばせる。
丸目の「モーダ」に対して、写真の「X」系はスクエアなヘッドライトで、シンプルなフロントマスク、直線基調のフォルムが特徴。写真は14インチのスチールホイールで、「X」では「Gパッケージ」がアルミホイールになる。
ボディカラー:プラムブラウンクリスタルマイカ
オプション装備:LEDフロントフォグランプ(2万2000円)/特別塗装色(3万3000円)/他
開口部、荷室幅はワイドだが、後席のフットスペースを重視したため、通常時の奥行きは少し短めだ。後席の背もたれを前倒しすると段差は残るものの、奥行きはかなり広がる。通常時の荷室容量は193ℓ、最大時は670ℓまで拡大する。
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まずはFFか4WDをチョイスした後、「X」か「モーダ」か、デザインと色を選べばおのずと決まる。装備は、スーパーUV&IRカットガラスを希望するなら迷わず「Gパッケージ」。あとは大枠は同じなので選びやすいハズだ。
※本稿は2020年10月発売の「モーターファン別冊統括シリーズVol.128 2020年コンパクトカーのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。