これら吸排気カムシャフトを駆動するのはトヨタお得意の「ハイメカツインカム」で、シングルギヤ+シザースギヤで吸排気カムを駆動する仕組み。先述の19.33度という狭いバルブ挟み角も本機構に依るところが大きい。シリンダヘッドのコンパクト化に寄与しているのはご想像のとおりだ。オイルパンはシリンダまでを覆うような、これまた特異な構造である。
これらにより、全高はわずか440mmに抑えた。
通常のエンジンではベルトで駆動する補機は、なんとメインプーリからドライブシャフトを生やして車両前方で仕事をさせるという荒技である。この「ドライブシャフト」は前輪の駆動には一切かかわらず、つまりRWD車では2本が、4WD車では3本のドライブシャフト(車両前後方向だからプロペラシャフトというほうがなじみがあるか)が通っていることになる。小さなパワートレイン実現のための執念とも言える構造である。
■ 2TZ-FE
気筒配列 直列4気筒
排気量 2438cc
内径×行程 95.0×86.0mm
圧縮比 9.3
最高出力 135ps/5000rpm
最大トルク 21.0kgm/4000rpm
給気方式 自然吸気
カム配置 DOHC
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 直打
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL ×/×
(エスティマ)