REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
600cc~800ccクラスはココがポイント
600cc~800ccクラスが属する「大型二輪免許(限定解除)」の歴史
その昔。国内では1970年前半に暴走族が社会問題化。そのため、1975年(昭和50年)に道路交通法が改正され、自動二輪免許は「小型二輪(50cc~125cc)」「中型二輪(126cc~400cc)」「限定解除(401cc~)」に分割。400cc超のバイクに乗るための「限定解除(大型二輪)」の試験は、運転免許試験場での“一発試験”のみで、教習所での取得は認められていませんでした(詳しくは下記の「大型二輪免許編~」を参照)。
ちなみに当時の「限定解除(大型二輪)」の試験は、寸分のミスでも即不合格という厳しさ。その合格率は、わずか数パーセント(100人受験して合格者は数人)といわれ、「司法試験より難しい」と揶揄されるほどの難関。別の言い方をすれば、基本的に合格させるつもりはない、限定解除(大型二輪)=落とすための試験でした(大型バイクに乗るなという、国による暗黙の嫌がらせともとれた)。
しかしハーレーダビッドソンを有するアメリカ政府から、「そんな規制があったら、我が国のハーレーが売れないだろ!」というプレッシャーがあり、国会でまともに議論されることもないまま、アレヨアレヨという間に法律改正。1996年(平成8年)から、大型二輪免許が認定自動車教習所でも取得できるようになりました。
それ以降、憧れだった400cc超のモデルは身近になり、大型二輪免許を取得する人も急増。「バイクは750ccまで」という自主規制の撤廃も拍車をかけ、オーバー400ccモデルのラインアップ数は増えていきました。
かつて存在した「バイクは750ccまで」という国内自主規制とは?
イマドキの600cc~800ccスポーツの魅力とは?
600cc~800ccスポーツが運転できる運転免許証は?
600cc~800ccスポーツで一般公道を走るには、排気量400cc超のバイクも運転できる「大型二輪免許」が必要。大型二輪免許は1996年(平成8年)より、認定自動車教習所にて手軽に取得できるようになりました(バイクに慣れるという意味で、まずは普通二輪免許の取得を推奨している教習所もあります)。
大型二輪免許には普通二輪免許と同じく、スクーターやDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)など、左手によるクラッチ操作なし車両のみ運転可能な『AT限定』と、手動式クラッチの有無や排気量を問わず、すべてのバイクが運転できる『限定なし』の2種類あり。クラッチを備えた600cc~800ccスポーツの場合、『AT限定』での運転は不可となります。
価格順で見る600cc~800ccスポーツ ※価格はすべて10%消費税込
全長x全幅x全高:2,030mm×685mm×1,140mm
軸間距離:1,375mm
車両重量:194kg
エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC 4バルブ
排気量:599cc
最高出力:89kW(121ps)/14,000rpm
最大トルク:64N・m(6.4kgf・m)/11,500rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,140mm×750mm×1,210mm
軸間距離:1,460mm
車両重量:243kg
エンジン種類:水冷4ストロークV型4気筒DOHC 4バルブ
排気量:781cc
最高出力:79kW(107ps)/10,250rpm
最大トルク:77N・m(7.9kgf・m)/8,500rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,025mm×710mm×1,100mm
軸間距離:1,400mm
車両重量:197kg
エンジン種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC 4バルブ
排気量:636cc
最高出力:93kW(126ps)/13,500rpm ※ラムエア加圧時:97kW(132ps)/13,500rpm
最大トルク:70N・m(7.1kgf・m)/11,000rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C (58W) 後180/55ZR17M/C (73W)
全長x全幅x全高:2,130mm×750mm×1,150mm
軸間距離:1,450mm
車両重量:207kg
エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC 4バルブ
排気量:648cc
最高出力:70kW(95ps)/12,000rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/8,500rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,125mm×785mm×1,055mm
軸間距離:1,455mm
車両重量:212kg
エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC 4バルブ
排気量:749cc
最高出力:83kW(112ps)/10,500rpm
最大トルク:80N・m(8.2kgf・m)/9,000rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,120mm×780mm×1,075mm
軸間距離:1,450mm
車両重量:201kg
エンジン種類:水冷 4ストローク直列4気筒DOHC 4バルブ
排気量:648cc
最高出力:70kW(95ps)/12,000rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/8,500rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,075mm×820mm×1,130mm
軸間距離:1,405mm
車両重量:186kg
エンジン種類:水冷 4ストローク直列2気筒DOHC 4バルブ
排気量:688cc
最高出力:54kW(73ps)/9,000rpm
最大トルク:68N・m(6.9kgf・m)/6,500rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,055mm×740mm×1,145mm
軸間距離:1,410mm
車両重量:194kg
エンジン種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブ
排気量:649cc
最高出力:50kW(68ps)/8,000rpm
最大トルク:63N・m(6.4kgf・m)/6,700rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C (58W) 後160/60ZR17M/C (69W)
全長x全幅x全高:2,055mm×765mm×1,065mm
軸間距離:1,410mm
車両重量:189kg
エンジン種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブ
排気量:649cc
最高出力:50kW(68ps)/8,000rpm
最大トルク:63N・m(6.4kgf・m)/6,700rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C (58W) 後160/60ZR17M/C (69W)
全長x全幅x全高:2,140mm×730mm×1,090mm
軸間距離:1,450mm
車両重量:197kg
エンジン種類:水冷4ストローク90°V型DOHC 4バルブ
排気量:645cc
最高出力:56kW(76.1ps)/8,500rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/8,100rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C (58W) 後160/60ZR17M/C(69W)
全長x全幅x全高:2,085mm×745mm×1,090mm
軸間距離:1,400mm
車両重量:183kg
エンジン種類:水冷 4ストローク直列2気筒DOHC 4バルブ
排気量:688cc
最高出力:54kW(73ps)/9,000rpm
最大トルク:68N・m(6.9kgf・m)/6,500rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 後180/55ZR17M/C(73W)
全長x全幅x全高:2,140mm×760mm×1,090mm
軸間距離:1,450mm
車両重量:197kg
エンジン種類:水冷4ストローク90°V型DOHC 4バルブ
排気量:645cc
最高出力:56kW(76.1ps)/8,500rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/8,100rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C (58W) 後160/60ZR17M/C(69W)
全長x全幅x全高:2,215mm×775mm×1,130mm
軸間距離:1,520mm
車両重量:218kg
エンジン種類:水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブ
排気量:745cc
最高出力:40kW(54ps)/6,250rpm
最大トルク:68N・m(6.9kgf・m)/4,750rpm
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C(58W) 160/60ZR17M/C(69W)
パワーウエイトレシオ(※)は「カワサキ Ninja ZX-6R」がトップ!
パワーウエイトレシオとは、「車両重量÷最高出力(馬力)」で算出される数値。1馬力あたりにどれくらいの重量負担があるのかを表しています。一般的 この数値が小さければ小さいほど、加速性能に優れているといえます。
パワーウエイトレシオはカワサキ Ninja ZX-6Rがトップ。続いてホンダ CBR600RR、スズキ GSX-S750 ABSの順。価格とパワーウエイトレシオの2点を見た場合、100万円を切るスズキ GSX-S750 ABSは、かなりお買い得であることが分かります。
各モデルの価格と最高出力(馬力)の関係性
75万円台のホンダ NC750Sから、160万円台のホンダ CBR600RRまで、馬力と価格は右上へ一直線に伸びている=馬力と価格は比例しているのが分かります。
ただしカワサキ Ninja ZX-6Rとスズキ GSX-S750 ABSの2台は、やや左にズレているのが特徴。つまりこの2台は、他のモデルに比べ、馬力に対して価格がリーズナブルであり、お買い得だといえます。
とはいえ、これらはあくまでも数値上でのお話。各モデルには価格やスペックでは読み取れない、個性や魅力が詰まっています。予算、用途、好み、自身のテクニック等に合わせ、幅広く選択可能な600~800ccスポーツモデル。当サイトでは、上記以外にも各車の特徴を詳しくレポートした試乗インプレッションを掲載中。ぜひチェックしてみてください!