月間販売台数をグラフにしてみた。
折れ線グラフのアップダウンはなかなか激しい。よく見ると、半期毎の9月と3月の販売台数が多くなっていることがわかる。今度は、年間の販売台数のグラフにしてみる。
2014年は、実質7カ月だったが、過去最高はデビュー年の2014年だ。移行、毎年の改良でクルマ自体は熟成していくが、販売台数は下がっていく。2020年の1万2111台のうち、11月以降(初代の在庫処分と新型)が6197台と約半数を占めた。
2021年は、1-3月のわずか3カ月の数字だ。3カ月で2019年、2020年の数字をクリアしている。
さて、今度は、年ごとの月間平均販売台数の推移をグラフ化した。
2014年:4323台
2015年:2457台
2016年:2015台
2017年:1923台
2018年:1307台
2019年:1060台
2020年:1009台
2021年:4420台
新型レヴォーグの好調ぶりが際立っている。と同時に初代レヴォーグのデビュー当時の勢いも明らかだ。
どんなモデルもデビューから時間を経るにつれて販売台数はドロップしていく(もちろん、フィアット500のような例外もあるが)。
だから、販売台数が落ちていくのは、想定済み。指標とするのは、メーカーが設定している「月間販売目標台数」だ。
レヴォーグの月間販売目標台数はこうだった。
■初代レヴォーグ
2014年4月15日発表 月販目標台数:3200台
2015年4月16日発表 月販目標台数:2600台
2016年4月11日発表 月間販売目標台数:2000台
2017年7月3日発表 月間販売目標台数:2000台
2018年4月27日発表 月間販売目標台数:1800台
2019年5月9日発表 月間販売目標台数:1200台
■新型レヴォーグ
2020年10月15日発表 月間販売目標台数:2200台
■初代レヴォーグ
2014年4月15日発表 月販目標台数:3200台(2014年月間平均:4323台)
2015年4月16日発表 月販目標台数:2600台(2015年月間平均:2457台)
2016年4月11日発表 月間販売目標台数:2000台(2016年月間平均:2015台)
2017年7月3日発表 月間販売目標台数:2000台(2017年月間平均:1923台)
2018年4月27日発表 月間販売目標台数:1800台(2018年月間平均:1307台)
2019年5月9日発表 月間販売目標台数:1200台(2019年月間平均:1060台)
発売時期とずれがあるので、必ずしも目標台数と実数の期間が一致しないが、参考にはなるだろう。初代レヴォーグは、「好調な滑り出し〜計画通りの売れゆき〜モデル末期にやや失速」と言ったところだろうか。
新型も「絶好調な滑り出し」からスタートした。モデルライフを通じて、人気を維持できるか、注目していきたい。
ところで、レヴォーグはもともと「国内専用モデル」という意味合いが強いモデルだった。実際、スバルの主戦場であるアメリカでは販売されていない。
初代レヴォーグはアメリカには投入されなかったが、ヨーロッパでは2015年から販売されている。新型の欧州発売はまだだが、初代モデルの欧州での売れゆきはどうだったのか、見てみよう。
欧州市場のレヴォーグは、当初1.6ℓ水平対向4気筒ターボモデルのみの設定だった(2.0ℓターボは設定なし)。セールスの状況は成功とは言いがたく、スバルの1.6ℓターボ搭載のスポーツワゴンとして、スポーティすぎた、あるいは燃費的に厳しかったという分析もあった。
スバルは、2019年7月にエンジンを2.0ℓ自然吸気水平対向4気筒エンジン(150ps/198Nm)に換装した2.0GTを投入したが、販売のカンフル剤にはならなかった。
新型レヴォーグを欧州に投入するか、投入する時期はいつか未発表だが、フルインナーフレーム採用による高いボディ剛性と新開発1.8ℓ水平対向ターボエンジンの組み合わせは、欧州でも初代以上に受け入れられる可能性はある。ただし、電動化へ急速に傾いている欧州で、電動デバイスを持たない新型レヴォーグがライバルと戦っていけるのか。または、初代モデルのように自然吸気エンジンに換装したうえで、e-BOXERを組み合わせた欧州レヴォーグが登場するのだろうか?