でも、ちょっと待て。令和2年と言えば紛れもなく「コロナ元年」。特に4月の緊急事態発出以降、国民が外出をひかえたこともあり、特に都内では単月ながら交通事故が半減、当然、その要因となるスピード違反も少なからず減少していると推測される。ま、スピード違反を始めとする交通違反の検挙数は警察の目標、方針等(やる気?)によって大幅に違ってくるので、関連性はあまりないのかもしれないが。
ちなみに、超過速度別取締件数は以下の通り。
★令和2年超過速度別取り締まり件数(令和元年)
50km/h以上 1万1,313件( 1万4,673件)
30km/h以上~50km/h未満 14万7,554件(15万8,989件)
25km/h以上~30km/h未満 23万9,883件(23万2,972件)
20km/h以上~25km/h未満 40万6,262件(38万7,258件)
15km/h以上~20km/h未満 35万7,209件(34万3,023件)
15km/h未満 199件( 340件)
特に目立つのが20km/h以上~25km/h未満のスピード域。総件数2万5,000件増加したうちの2万件弱を占めているが、このスピード域はちょうど移動オービスによる取り締まりのホットエリア。その上の増加数7,000件の速度域も移動オービス効果と考えていいのでは?
逆に30km/h以上の超過速度域で減少を見ているのは、固定式オービスが続々と撤去されていることも影響しているのだろう。ちなみに、昨年、大幅に増えた(前年比8倍強!)15km/h未満での検挙数が約40%減少している。生活道路での取り締まり強化が移動オービス導入の本来の目的であるなら、もっと増えてもいいはずなのだが。
いずれにしても総数で前年比2万5,000件の増加というのはただごとじゃない。警察のやる気によって左右されることなので一概には言えないが、たぶん、これは、フレキシブルな移動オービスの増加、そして、コロナ禍が原因で公共交通機関による通勤などの移動手段が敬遠され、マイカーや社用車、レンタカーなどを利用する人が増えたことにも原因があるはず。普段、クルマに乗りなれない人は、取り締まり情報には当然、疎いため、罠に引っかかる可能性が高い。実は、「普段走りなれていること」が交通取締り対処法のひとつでもあるのだ。
というわけで、走り慣れない道はより慎重に、周囲への気配りをお忘れなく!