今後、燃焼アンモニアの利用を進めるには、大量かつ安価でクリーンなアンモニア供給の実現も必要だ。「グリーンアンモニア(*3)」や「ブルーアンモニア(*4)」の供給網を確立することで、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向け、IHIでは様々な取り組みを推進している。
IHIは、燃焼技術開発によりアンモニア需要を拡大させるとともに、サプライチェーン構築に積極的に関与することで、アンモニアの早期の社会実装による脱CO2 ・循環型社会の実現に貢献していく。
(*1) NEDO委託事業:
・件名:カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/アンモニア混焼火力発電技術の先導研究
・テーマ:「液体アンモニア直接噴霧ガスタービンシステムの研究開発」
(IHI, 東北大学, 産業技術総合研究所)
事業期間:2019年4月~2021年3月
(*2) 気化潜熱:
液体は気化する際に周囲から熱を奪う。その熱量を気化潜熱というが,液体アンモニアの気化潜熱は灯油など一般的な液体燃料よりも非常に大きいため,燃焼器内温度の低下につながる。
(*3) グリーンアンモニア:
再生可能エネルギー由来の電力を利用して,水を電気分解し生成した水素から製造したアンモニア。製造の過程でもCO₂を発生させないことが特徴。
(*4) ブルーアンモニア:
天然ガスからアンモニアを製造する際に排出されるCO₂を分離回収し,EOR(石油増進回収)に利用することなどによりCCUS(CO₂回収・利用・貯留)を行うカーボンニュートラルなアンモニア。IHIは,一般財団法人日本エネルギー経済研究所(IEEJ)とサウジアラビアン・オイル・カンパニー(サウジアラムコ)が実施したブルーアンモニアのサプライチェーン実証試験に協力し,2,000kWガスタービンにおける混焼試験において,36トンのブルーアンモニアを使用した。