「大乗フェラーリ教開祖」を名乗る永福ランプこと清水草一さんが選んだ「運転が楽しいクルマ」の第1位は、やっぱりフェラーリ・テスタロッサ。衝撃的な初体験により自身がフェラーリに取り憑かれるきっかけとなった、思い出の1台である。




TEXT●永福ランプ(Eifuku Ramp)

第3位:トヨタ・ソアラ(初代)「圧倒的加速(当時)! これは宇宙船か!?」

「楽しい」とか「感動した!」という体験は、若いころほど強烈なもの。自然、生涯最高記録の多くが若いころに達成されてしまうと思うのであります。三つ子の魂百までというヤツで。




私の場合、最初の感動体験は、父が購入した初代トヨタ・ソアラでした。当時私はまだ二十歳。右も左もわからないピヨピヨしたヒヨコでした。ヒヨコは「クルマの馬力は145まで」という、当時の国産車の自主規制の常識の元育っておりましたので、2.8リッターツインカム6の170馬力は、宇宙船のように感じました。




当時の運転の楽しさの大部分は「加速」にありましたので、圧倒的な加速を実現する初代ソアラに、ションベンチビるほど感動し、死ぬほど楽しかったです。これが第3位ですね。

1981年に登場した初代トヨタ・ソアラ。トヨタでは2000GT以来となる6気筒DOHCエンジンは、2.8Lの排気量から170psを発生した。

第2位:日産サンタナ「ずば抜けた直進安定性。これがアウトバーンを走るクルマなのか!」

第2位は日産サンタナです。私が22歳の時に父が購入したクルマでしたが、「このクルマはヘンだ。ソアラのほうがいいからお前が乗れ」と言われ、乗らせていただいておりました。




サンタナはソアラに比べるとウルトラ加速は悪かったのですが、感動したのはその直進安定性でした。あんなオッサンっぽい形してるのに、ソアラよりはるかに直進安定性が高い! 高速道路を走ってるとすっごく楽しい! これがアウトバーンを走るクルマなのか! と、まだ見ぬアウトバーンを脳裏に描き、ウットリいたしました。これが私の欧州車への目覚めでありました。

フォルクスワーゲン・パサートの兄弟車で、日本では1984年に日産から発売された。エンジンは直列5気筒と直列4気筒のほか、直列4気筒ディーゼルを用意。

日産サンタナは右ハンドルで、座間工場でノックダウン生産された。

第1位:フェラーリ・テスタロッサ「気持ち良すぎる! このクルマは悪魔か、それとも魔女か!?」

そして第1位は、フェラーリ・テスタロッサです。集英社の編集者になって池沢早人師先生の担当者となり、先生のテスタロッサをバカ渋滞の新青梅街道にてトロトロ走らせていただいたのですが、それはもう、これまでの価値観をすべて木っ端微塵に吹っ飛ばしてくれました。




楽しいなんてもんじゃない。ただアクセルを踏むだけで悶絶! 世の中にこんなものがあったのかぁ! こんな悪い女がいたのかぁ! これは悪魔だ! 魔女だ! 魔女にすべてを吸われてもいい! だって気持ち良すぎるから! そんな感じでした。その延長線上で、その後30年余り生きております。




私の場合、ハンドリングとかブレーキングとか、そういう細かいことにそれほどの楽しさを感じたことはなく、もっぱらエンジンが与えてくれるヨロコビに強烈に反応しております。

1984年にデビューしたフェラーリのフラッグシップモデル、テスタロッサ。バンク角180度のV12エンジンは390psを誇る。

『運転が楽しいクルマ・ベスト3』は毎日更新です!




クルマ好きにとって、クルマ選びの際に大きな基準となるのは、


「運転が楽しいかどうか」ではないでしょうか。




とはいえ、何をもって運転が楽しいと思うかは、人それぞれ。「とにかく速い」「速くないけど、エンジンが気持ち良い」「足周りが絶品」などなど、運転を楽しく感じさせる要素は様々です。




本企画では、自動車評論家・業界関係者の方々に、これまで試乗したクルマの中から「運転が楽しかった!」と思うクルマのベスト3を挙げてもらいます。




どんなクルマが楽しかったか。なぜ楽しいと感じたのか。それぞれの見解をご堪能ください。




明日の更新もお楽しみに!
情報提供元: MotorFan
記事名:「 【最高に運転が楽しいクルマ|フェラーリ・テスタロッサ】これまでの価値観が木っ端微塵! ただアクセルを踏むだけで悶絶!!(永福ランプ)