・ゴム、フィルムをベースにした柔軟で軽量な摩擦発電機をタイヤの内面に取り付ける
・タイヤの回転に伴う接地面の変形により、発電素子が効率よく電力を発生させる
・発電した電力によって、電池を使わず市販デバイス(TPMS)を駆動可能
谷教授らの研究グループは、摩擦により発生する静電気を利用した発電やセンサの開発に取り組んでいる。開発した摩擦発電機は、ゴム、帯電フィルム、電極から成り、柔軟かつ軽量のため、大きな変形あるいは大きな衝撃を受ける場所で発電が可能であることから、住友ゴム工業と共同でタイヤの内面に取り付けてタイヤの回転によって発電する摩擦発電機の開発を行っている。
今回の開発では、摩擦発電機をタイヤ内面に取付け、電源制御回路を介してその電力を市販のPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)に供給することで、タイヤの圧力や温度をモニタできることを検証・確認した。昨今の自動車業界の自動運転などに対応すべく、タイヤでのセンシング技術開発が活発化しており、様々な大量の情報発信に必要な電源供給は必須となってきている。この摩擦発電機によって電池レスが可能となりインテリジェントタイヤの実現の可能性が見えてきた。
なお、本テーマは2019年10月に科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)シーズ育成タイプに採択され、同機構の支援を受けながら開発を進めている。詳細な内容は3月8~9日開催の日本機械学会IIP2021(情報知能精密機器部門講演会)で発表する予定。