TEXT &PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)
通勤途中の車窓や、よく通る散歩道で「気になって仕方がない。いつか訪れて調べてみたい」ということは、誰にでもあるのではないかと思う。吾輩は、ある「水たまりのような沼」が、以前から気になって仕方がないのだ。深さはどのくらいか?生物はいるのか?どこかに水脈が繋がっているのではないか?
そこで今回は、この「水たまりのような沼」を先ず「ドローンで空撮」し、「水中を観察」してみようと出かけていった。
当日は風が強く、ドローンを飛ばせる状態ではなかったため、風の影響が少ない水中の観察から始める。使用した機材は「ROV」。まぁ水中のドローンだ。ニュース等でご存知の方もいると思うが、日本にも「しんかい6500」という有人の潜水調査船がある。その名の通り66500mの深海まで有人で潜れる優れものの潜水艇だ。人が乗り、6500mの深さまで潜れる有人潜水艇は世界に7隻しか存在しない。
我がチームの水中担当は「パワーレイ」というモデル。「しんかい6500」にはとても及ばないが、最大深度は30mまでは潜航できる。プロペラは水平方向に2機、垂直方向に1機だ。もちろん撮影用のカメラも備えているし、4K撮影も可能である。
水中では水深20mを超えるとかなり暗くなる。その上に赤色系の光は届きにくい。(これが海が青く見える原因である)「パワーレイ」のライトはレンズの左右にあり、今回は使用していないが、魚群探知機も装着できるすぐれものだ。だが、撮影の上で、広角側は少し弱いので、別に「ウエアブルカメラ」を装着。「パワーレイ」本体のカメラは動画を撮影、「ウエアブルカメラ」はタイムラプスを選択して静止画を記録させる。そう、それと電波は水中では届かないので、ほとんどのROVはコントローラーまでは有線で繋げることになる。ちょいとこれは煩わしい。
ゆっくりと確実に調査に使うなら、微調整がいる。ROVのプロペラは当然、数が多いほどよい。これは特に水中でのホバリングに有効だ。四隅に4機のプロペラ、上下のために2機のプロペラを装備しているのが理想の型と思う。
我がチームのパワーレイはその辺りはかなり不利だ。しかし、この流線型の形で水平方向への移動のスピードはかなり速いので、水面、水中のリモートのトイとしての魅力は充分だ。それに何よりも、魚群探知機を装備出来るので、海底の地形を水面から知ることもできる。
で、水たまりのような沼はどうだったかというと、我がチームのボートやカヌーは問題なく入っていける深さではある。つまり浅い。
「生物は?」申し訳ない。濁っていて、よく見えなかった。結論として、もう一度船上から良く調べてみることにする。
ー吾輩はスズキ・ジムニーである。型式はM-JA71C。名前はまだない。ー
少し前になるが、「Motor Fan illustrated」の連載ページの「Supercar Chronicle」の撮影が終り、昼食となる。「藍屋」に行くことになる。「藍屋」と言えば「豚の角煮定食」。少しお高いが柔らかさ、もちろん味もファン。ところがその「豚の角煮定食」がメニューになく、なんとも残念。そこで今回は「豚の角煮」を、手を抜かずに極めたい。
余談ではあるが、後日調べたところ、テイクアウトで現在は復活している。それもかなりお安い設定だ。しかし、我がチームの拠点の側にあった「藍屋」は、すでに「夢庵」になってしまっている。