アルミの方が放熱性という面では有利だが、軽量化以上に重要なのがブロック剛性。特に昨今の高圧縮比エンジンやターボエンジンでは、パワーを上げようとするとブロック剛性の高低がカギとなってくる。また、必要以上の軽量化を図ると音振にも不利となるため、軽さと剛性の妥協点をどこに置くかが、シリンダー設計のポイントとなる。構造上では、高圧鋳造が可能で大量生産に向くオープンデッキと、ブロック剛性を確保しやすいクローズドデッキを、コストと搭載車両の性格によって使い分ける。