REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン
マニュアルミッション車の価格を排気量で割り算すると丁度1,000円になる。そう言えば、昔ハーレーダビッドソンが日本市場に販売攻勢を仕掛けた時、当時同社の最小モデルだったスポーツスター883が883,000円の価格で売り出されて大きな注目を集めた事がある。
購入時の比較検討方法として、決してポピュラーで無い事は承知しているが、あえて排気量当たりの車両価格を算出するとRebel 1100はピッタリ1,000円であり、国産市販車中、どれよりも安い事に親しみを覚えた。
それでいて撮影車両に跨った時のどこか誇らしげな重量感や、各部にさりげなく漂う上質感はなかなか魅力的に見えたのである。
車格感やデザインはまさにRebel その物だが、最上級モデルとして内包されている威厳が伝わってくるのである。写真撮影はツインリンクもてぎの滑走路で行われたが、クルーズコントロールを働かせて、どこまでも遠くへ旅してみたい。
1100ccツインエンジンを搭載したゆとりある走りに大きな期待と興味がわいてくるのである。
昨年12月に公表されたリリースによれば、「Sit back &Enjoy the ride」を開発コンセプトに、Rebel シリーズ共通の特徴に仕上げられている。低いシート高と低重心のクルーザーだが、35度のバンク角も確保されて程よくスポーティな走りも楽しめると言う。
搭載エンジンは、CRF1100Lアフリカツインと基本的には同じ。もちろん吸排気系は別物で、ECUも異なるはずだが、ショートストロークタイプのボアストロークや、1082ccの排気量、そしてドライサンプの潤滑方式は同じ。
クランクも270度位相による不等間隔爆発タイプ。蹴り出し感の強い駆動力特性が楽しめる。また3種のライディングモードが選択可能。クルーズコントロールが標準装備され、DCT車も選べる。
そしてグリップヒーターやETCも奢られた展開は、Rebelの人気をますます高めることになるだろう。
Rebel 1100〔DCT〕
車名・型式:ホンダ・8BL-SC83
全長(mm):2,240
全幅(mm):850〔830〕
全高(mm):1,115
軸距(mm):1,520
最低地上高(mm):120
シート高(mm):700
車両重量(kg):223〔233〕
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):31.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):18.7〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.9
エンジン型式:SC83E
エンジン種類:水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量(cm3):1,082
内径×行程(mm):92.0×81.4
圧縮比★:10.1:1
最高出力(kW[PS]/rpm):64[87]/7,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):98[10.0]/4,750
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):13
クラッチ形式★:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン〔電子式6段変速(DCT)〕
変速比:
1速 2.866〔2.562〕
2速 1.888〔1.761〕
3速 1.480〔1.375〕
4速 1.230〔1.133〕
5速 1.064〔0.972〕
6速 0.972〔0.882〕
減速比(1次/2次):1.717/2.625〔1.863/2.625〕
キャスター角(度):28゜00′
トレール量(mm):110
タイヤ(前/後):130/70B-18M/C 63H / 180/65B-16M/C 81H
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式
フレーム形式:ダイヤモンド