最近街中で目にする機会の多い人気のホンダ・Rebel。250と500モデルがあるが、大型クルーザーモデルとして昨年12月に1100の新規投入が発表された。先ずは3月11日にDCTモデルが新発売。追って5月13日にマニュアルミッション車も新発売される。




REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)


取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン

ホンダ・Rebel 1100.......1,100.000円(同DCT.......1,210,000円)

ガンメタルブラックメタリック(写真はRebel 1100.......1,100,000円)
ボルドーレッドメタリック(写真はRebel 1100 DCT.......1,210,000円)

1100(1082)ccで110万円というお買い得感。

 マニュアルミッション車の価格を排気量で割り算すると丁度1,000円になる。そう言えば、昔ハーレーダビッドソンが日本市場に販売攻勢を仕掛けた時、当時同社の最小モデルだったスポーツスター883が883,000円の価格で売り出されて大きな注目を集めた事がある。


 購入時の比較検討方法として、決してポピュラーで無い事は承知しているが、あえて排気量当たりの車両価格を算出するとRebel 1100はピッタリ1,000円であり、国産市販車中、どれよりも安い事に親しみを覚えた。


 それでいて撮影車両に跨った時のどこか誇らしげな重量感や、各部にさりげなく漂う上質感はなかなか魅力的に見えたのである。


 車格感やデザインはまさにRebel その物だが、最上級モデルとして内包されている威厳が伝わってくるのである。写真撮影はツインリンクもてぎの滑走路で行われたが、クルーズコントロールを働かせて、どこまでも遠くへ旅してみたい。


 1100ccツインエンジンを搭載したゆとりある走りに大きな期待と興味がわいてくるのである。




 昨年12月に公表されたリリースによれば、「Sit back &Enjoy the ride」を開発コンセプトに、Rebel シリーズ共通の特徴に仕上げられている。低いシート高と低重心のクルーザーだが、35度のバンク角も確保されて程よくスポーティな走りも楽しめると言う。


 搭載エンジンは、CRF1100Lアフリカツインと基本的には同じ。もちろん吸排気系は別物で、ECUも異なるはずだが、ショートストロークタイプのボアストロークや、1082ccの排気量、そしてドライサンプの潤滑方式は同じ。


 クランクも270度位相による不等間隔爆発タイプ。蹴り出し感の強い駆動力特性が楽しめる。また3種のライディングモードが選択可能。クルーズコントロールが標準装備され、DCT車も選べる。


 そしてグリップヒーターやETCも奢られた展開は、Rebelの人気をますます高めることになるだろう。   

足つき性チェック(身長168cm)

ご覧の通り、膝に大きなゆとりを持って、両足はべったりと地面を捉えることができる。シート高は700mm。レブル250/500と比較すると10mm高いが、足つき性はとても良い。車重は223kg(DCTは233kg)あるが扱いに不安は感じられない。

ディテール解説

Rebelシリーズ一連のデザインで仕上げられたフロントビュー。丸型のヘッドランプハウスには、LEDランプ4灯が組み込まれている。酸化チタンコートが施されたφ43mmフロントフォークの左右幅が広いのも印象的。

フローティングマウントされたφ330mmのシングル・ディスクローターには、対向4ピストンのモノブロック式油圧キャリパーがラジアルマウントされている。タイヤはダンロップ製D428を履く。

型式呼称SC83Eと呼ばれる注目のエンジンは、CRF1100Lアフリカツインと基本的には同じで、6段ミッション等のレシオも共通。もちろんRebel用に専用チューニングが施されている。

オーバル断面構造に、デュアル排気口を備えたブラックマフラー。その取り回しデザインは250や500と共通の雰囲気に仕上げられている。リヤのディスクローターはφ256mm。

オーソドックスなリヤ・スイングアーム式サスペンションは、φ50.8mmの極太鋼管を採用。ツインショックは、分離加圧式ビギーバックタイプ。ダブルピッチの黒いコイルスプリングが組み合わされている。

ブラックアウトされたパイプバータイプのアップハンドルを装備。シックでシンプル、スッキリした印象を覚える。

ハンドル左側スイッチボックス。下から順にウインカー、ホーン、ディマー&パッシングスイッチ。左はグリップヒーター用スイッチ。右側のモードと上下操作できるシーソースイッチは、ライディングモード切り替えや、ディスプレイの設定操作に使う。上はハザードスイッチ。
右側のハンドルスイッチは比較的シンプル。上の赤いのがエンジンキルスイッチを兼用する始動用セルスタータースイッチ。下はクルーズコントロール用のスイッチだ。
DCT車の左側ハンドルスイッチを前方から撮影。人差し指で扱うスイッチはマニュアルで操作する時のシフトアップ用。バックミラーステーの内側にあるのはパーキングブレーキレバーだ。
写真の右側ハンドルスイッチはDCT車のもの。Dを押すと走行可能状態になる。Nはニュートラルの意味。左のA/Mは自動(オート)変速と手動(マニュアル)変速を切り替えるスイッチだ。
丸型メータとその右側には各種ワーニングランプが組み合わされたシンプルなデザイン。メーターディスプレーはネガティブLCD方式を採用。速度計はもちろん、回転計、燃料計、時計他多彩な情報表示がなされる。表示の明るさも5段階調節できる。

鞍型の大きなシートとリヤフェンダー上にチョコンと固定されたピリオンシート。セパレートデザインはRebelシリーズ共通のものだ。前席下には容量3Lのストレージボックスを装備、USB電源ソケットも採用されている。

Rebelシリーズ一連に共通するデザインが採用されたテールビュー。奥深くに輝きを放つメタリック塗装が上級モデルらしさを表現している。

⬛️主要諸元⬛️

Rebel 1100〔DCT〕


車名・型式:ホンダ・8BL-SC83


全長(mm):2,240


全幅(mm):850〔830〕


全高(mm):1,115


軸距(mm):1,520


最低地上高(mm):120


シート高(mm):700


車両重量(kg):223〔233〕


乗車定員(人):2


燃料消費率(km/L):31.5(60km/h)〈2名乗車時〉


WMTCモード値(km/L):18.7〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):2.9


エンジン型式:SC83E


エンジン種類:水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒


総排気量(cm3):1,082


内径×行程(mm):92.0×81.4


圧縮比★:10.1:1


最高出力(kW[PS]/rpm):64[87]/7,000


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):98[10.0]/4,750


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式:圧送飛沫併用式


燃料タンク容量(L):13


クラッチ形式★:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式:常時噛合式6段リターン〔電子式6段変速(DCT)〕


変速比:


 1速 2.866〔2.562〕


 2速 1.888〔1.761〕


 3速 1.480〔1.375〕


 4速 1.230〔1.133〕


 5速 1.064〔0.972〕


 6速 0.972〔0.882〕


減速比(1次/2次):1.717/2.625〔1.863/2.625〕


キャスター角(度):28゜00′


トレール量(mm):110


タイヤ(前/後):130/70B-18M/C 63H / 180/65B-16M/C 81H


ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク


懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式


フレーム形式:ダイヤモンド

情報提供元: MotorFan
記事名:「 新型ホンダレブル1100|排気量1ccあたり1000円!の超コスパ系バイクだから、売れる予感しかしない。【両足べったり】