取材協力
●KN-YOKOHAMA (045-593-9402)
●エムファクトリー(https://www.m-factory.co.jp/dynostar.html)
オンボロ純正マフラーから、純正と同寸法の補修マフラーに交換しただけで、性能アップ(本来の性能に近づいた)を体感できた! というのが前回までのお話。
50ccスクーターをパワーアップする次なる一手は、CDIの交換だ。
多くの2スト50ccの原付バイクは、速度が一定以上出ないように、CDIやプーリー、スプロケットなどでリミッターが掛けられている。
JOGアプリオの場合は、CDIを交換することでこのリミッターを解除できる。デイトナやC.F.ポッシュといった社外製CDIに交換するのが一般的なのだが、今回装着するのはグランドアクシス100の純正CDI。KN企画の長年のチューニングノウハウの秘密の中から教えてもらった選択である。
●グランドアクシス100純正CDIのメリット
・ポン付け
・中古品が安い(新品は12540円)
・点火時期がノーマルとほぼ同じなので扱いやすい
「交換前(ノーマルCDI時)は6300rpm付近で変速していて、40km/hを超えたあたりで変速が終了。エンジン回転が徐々に上昇していく……けれど! そこからエンジンが失火したようにパワー感が鈍りだす。タコメーターは5300rpm、4300rpmと本来ありえないはずの低い数値を表示した。
グランドアクシス100のCDIに交換すると、エンジン回転は40km/hで6000rpm、50km/hで6500rpm、60km/hで7200rpmと、変速終了後はエンジン回転の上昇に合わせてスムーズに速度が伸びていった」
●ノーマルCDI使用時
最高回転7800rpm
最高速64.8km/h
●グランドアクシス100 CDI使用時
最高回転8750rpm
最高速74km/h
「初回と同じ試験路で全開にすると、通常の乗車姿勢で68km/hの7800rpmまで上昇。伏せ姿勢で試してみると最高で8130rpmの70km/hまで伸びてくれた。ちなみに変速中の回転数は以前と変わりなし。35km/hクルージング時のエンジン回転数4500rpmも変わりは無かったが、点火時期の若干の違いだろうか、スロットルレスポンスは良くなったように感じた。特に変速終了付近と思われる約45km/hからの加速は、まるで排気量アップしたかのように感じられたほどだった。
構造の単純な2ストロークエンジンは、チューニングの成果も得やすく気軽でイジりがいのあるパワーユニットだと改めて感心した(近田 茂)」
駆動系を固定した状態でのパワーチェック結果で、いずれも同日計測。
緑線はほぼ中古で購入したばかりのヤレ気味の状態。赤線はマフラーを純正タイプの新品に交換。青線は新品マフラーに加えてCDIも交換した状態。
マフラーの糞詰まりを解消したことで、緑線→赤線のように、5000rpm以上でもモリッとパワーが出るようになった。そこにCDI交換でリミッター解除したことで、約7200rpm以上で頭打ちだったエンジン回転数が8000rpm以上まで回るように。実走では最高速が10km /hアップした。
現在までの費用
・車体……4.5万円
・KN企画製マフラー……9790円
・グランドアクシス純正CDI(中古)……3000円
・KN企画製リヤショック……1万175円
合計6万7965円
※工賃は上記に含まず