・防振機能 パワープラントの振動がボディに伝わるのを抑制する。
・制振駆動 反力や路面入力により発生する振動を抑える。ソリッドマウント:他の構造より低コストで容積が少なくできる。ロスファクターを高く採りたいエンジンシェイクと、バネ定数を低くしたいアイドル振動と2要素のバランス確保が難しい。流体マウント:ゴムマウントの中に液体を封入し、別室とされた副液室とを隔てるオリフィスを液体が通過する際の抵抗で振動を抑制する、サスペンションダンパー同様の構造。切替式流体マウント:オリフィス下部の負圧弁でオイル流路を変えて、走行時はバネ定数を高く、停車時は低くし、エンジンシェイクとアイドル振動という相反する振動抑制を両立させる。ACM:切替式流体マウントに電磁アクチュエーターを付加し、エンジンからの振動入力と逆位相の振動を発生させて車体へ伝わる振動をキャンセルする。トルクロッド:「支持」「防振」「制振」というエンジンマウントの3大機能のうち、制振、それも駆動反力の抑制に特化した部品。エンジンの変位規制と音振性能を両立させる。
防振ゴムに求められる特性
エンジンマウントの防振ゴムの硬度は、タイヤの駆動力が反力としてエンジン側に伝わる大きさ=前後揺動と、サスペンションが規定する最大ロール角=左右揺動とのバランスを考慮して決定される。横置きFFと縦置きFRを比較した場合、最大ロール角に違いはないが、駆動力がデフを含めて後輪に回されるため、FRでは反力が小さくなる。その分防振ゴムを柔らかくすることができ、防振への対処は相対的にFRの方が有利といえる。