P125のキャブレターはエンジン上部に付いている。上蓋を外せばキャブ本体とエアクリーナーが現れるから、ここから分解を開始しよう。
キャブ本体を外したら、オイルが漏れ出ていた辺りを確認しよう。と、そこにはキャブ下側から出ているオーバーフロー用の穴と接続されていたらしい。右上の写真にある黒いグロメットがそこ。ということはつまり、インテークからオイルが漏れていたのではなく、オーバーフローした燃料(P125Xはガソリンに2ストオイルを混ぜる混合燃料)が垂れていただけということのようだ。
その証拠にキャブレターが収まっている箱のような部品はエンジンから切り離すことができない構造だった。インテークマニホールドがなく、ほぼ直にエンジンとキャブレターが接続されているということだ。これは無駄な作業をしてしまった。でもメゲずにキャブレターの外側を清掃しておこう。
箱の中に入っているとはいえ、やはりオイルでネトネトしているキャブレターはパーツクリーナーで簡単に清掃しておいた。でも、これでようやく素手でも触る気になった。ついでに箱の内部も汚れを落として気分はスッキリだ!
またエンジンを下ろす時にハーネスを外すためファンカバーを外した。ここを外すためにはエンジン右下にあるシフトユニットのカバーも外さなければならない。以前の作業で気がついていたのだが、このシフトユニットカバーも油汚れが全面を覆い、その内部ときたらもうオイルだかグリスだが不明の半固形ヘドロで埋め尽くされていた。あまりに汚いので素手で触ることなど考えられず、写真も撮り忘れてしまったほどだ。ということで、この内部からヘドロのような汚れを掻き出しパーツクリーナーで清掃しておいた。
これでようやくエンジンを載せることができそうだ。ただエンジンを先に装着すると重くなってセンタースタンドを装着するのに難儀しそう。そこでまずはセンタースタンドから装着しよう。以前の記事でも紹介したように、元々付いていたセンタースタンドはサンドブラストしたら穴が開いてしまったほど朽ちていた。ということでイタリア製の新品を用意した。
ちなみに以前も書いたようにベスパの部品は安いので助かる。購入したセンタースタンドは純正よりひと回り太い強化品で税込3080円。スプリングは330円でブラケットは374円だった。
そもそもが貧乏性なので、通販で部品を買う時も安いものを選んでしまう。今回はこれがアダとなった。スタンドやスプリングは問題ないのだが、装着する前にブラケットを合わせてボディに仮付しようとしたら、ブラケットの径が細くてスタンドと合わないのだ!
これだからイタリア製は…と交換できないかメールしてみたら、ショップ側から「商品説明にも書いてあるよう、アウトレット品で加工が必要です」との返信。え、じゃあ合わない部品を価格に釣られて買っていたのか。これは参ったが自業自得だ。
ここで作業終了ではあまりに悲しい。そこでスタンドと同時に装着するつもりだったブレーキペダルを装着するため清掃しよう。ここも激しく汚れていたのでスクレーパーとパーツクリーナー攻撃でなんとか見られるようになった。
ペダルユニットの内側にはブレーキスイッチが入っている。以前外した時に別の部品箱で保管していたので、こちらも汚れを落として内部が正常に動作するか確認しておく。
またリヤブレーキワイヤーはそのままにしていたが、すでにホツれて切れている部分まである。これを再使用したら後で痛い目に遭いそうなので、新品に交換すべく分解から始めておくことにした。
ワイヤーはユニットの穴を通ってリンク状の部品が挟み込むようにして固定されている。ということでリンクのナットを外してフリーにするとしたら、リンクのナットは猛烈なトルクで締められていた。ここを外すのに10分くらいかかっただろうか。ちなみにベスパには7ミリや11ミリや13mmなど奇数のボルトナットが多数使われている。工具を揃えておかないと先に進めなくなるので要注意。
リンクのナットが外れてもリンクを分解できない。根元で固定されているピンを抜かなければならないようだ。ということで割りピンを抜いたら写真のようにリンクを持ち上げた状態で割りピンが入っていたピンを抜く。これでリンクごと外すことができた。
外れたリンクを洗油に漬け込み、その間にアウターワイヤーからホツれて切れたインナーワイヤーを引っこ抜く。続けてアウターワイヤーもキレイに清掃していたら、この日の作業は終了。次回に持ち越してしまったが、その間に追加注文したスタンド用ブラケットも届くことだろう。