REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
国内では2020年12月現在、250と500が発売中のレブルシリーズ。特に普通自動二輪免許で乗車できる250は、扱いやすいエンジンや取り回しの良いボディにより、性別や年齢を問わず幅広い層に支持されている。
今回、欧米で発表されたNEWモデル「レブル1100(欧州名はCMX1100 REBEL)」は、レブルならではの水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒はそのままに、シリーズ最高峰となる排気量1084ccに設定。大排気量の大型クルーザーながら、市街地走行、ロングツーリング、ワインディングでのスポーティな走りまで、様々なシチュエーションにて楽しめる1台として完成。
フレームはΦ35mmのチューブラースチールフレームを採用。外観は250や500を踏襲した、レブルシリーズならではのワイルドなイメージ。シート高は700mmの超ローポジションに設定。レブル250&500のシート高は690mmで、わずか10mmアップに抑制されている。
エンジンはCRF1100Lアフリカツイン用をベースとした、排ガス規制「ユーロ5」適応の270度クランク型水冷SOHC4バルブ並列2気筒1084ccを搭載。最高出力は87ps/7000rpm(CRF1100Lは95ps/7500rpm)、最大トルクは9.9kgf・m(CRF1100Lは10.1kgf・m)を発揮する。CRF1100Lに比べ、レブル1100は低回転での扱いやすさを重視した、クルーザーならではのテイストに仕上げられているのが特徴だ。
フロント周りは、酸化チタンコート処理を施したインナーパイプと、2ピース構造のボトムケースを組み合わせたΦ43mm正立フロントフォークに、ラジアルマウント式4ピストンキャリパー+シングル式Φ330mmディスクブレーキを採用する。リヤ周りはΦ50.8mmの丸パイプを採用したスイングアームに、ピギーバックスタイルのリザーバータンク付きツインショックをコーディネイト。
ホイールはY字型のスポークを備えた鋳造アルミニウムタイプを採用。250と500は前後16インチだが、レブル1100はフロント18インチ、リヤ16インチの異径サイズをチョイス。タイヤはフロントに130mm幅の130/70-18、リヤに180mm幅の180/65-16のワイドタイプを選択して、ビッグクルーザーならではの迫力ある足元にアレンジ。スポーティな走りと、快適な乗り心地を両立しているのもポイントだ。
レブル1100の最大のポイントは、「豪華さを追求しない」をコンセプトにコストダウンを図り、ビッグバイクとしては驚異的な低価格を実現したところ。同系エンジンを搭載する2021年型のアフリカツインに比べ、3分の2以下という驚愕の価格には、ただただ驚きだ。
ミッションは「マニュアルトランスミッション(6速MT)」に加え、左手でのクラッチ操作を省いたオートマチックの「デュアルクラッチトランスミッション(DCT)」の2種類をスタンバイ。レブル1100は低価格を実現しつつ、
・3つのプリセット(スタンダード、レイン、スポーツ)と1つのユーザーカスタマイズを備えたライディングモードを装備
・3段階調整可能なトラクションコントロールである「Honda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)」を採用
・ウイリーコントロールを導入
・クルーズコントロールを導入
・イグニッションキーで開くシートを採用
・シートの下にUSBタイプCの電源ソケットを装備
・シート下に容量3Lの収納スペースを確保
・フルLEDの灯火類を採用
・LCDタイプの反転表示メーターを採用
など、最新の電子制御システムや実用性抜群の装備を導入。レブル1100は国内でも発売予定されており、国内での発売価格にも注目が集まっている。
※【カッコ内】はDCT仕様車
全長×全幅×全高:2240mm×853mm【834mm】×1115mm
ホイールベース:1520mm
最低地上高:120mm
シート高:700mm
車両重量:223kg【233kg】
エンジン形式:水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒 270°クランク
総排気量:1084cc
ボア×ストローク:92mm×81.5mm
圧縮比:10.1
最高出力:64kW(87ps)/7000rpm
最大トルク:98N・m(9.99kgf・m)/4750rpm
燃料タンク容量:13.6L
変速機形式:6速リターン【6速DCT】
キャスター角:28゜
トレール量:110mm
前タイヤサイズ:130/70B18M/C
後タイヤサイズ:180/65B16M/C
前ブレーキ:Φ330mmシングルディスク
後ブレーキ:Φ256mmシングルディスク