TEXT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)
さすがは顔が勝負の新型オデッセイということで、ホンダアクセスの純正アクセサリーも最大の推しアイテムはフロントフェイスの印象を変化させる「フロントアッパーグリル」と「フロントミドルグリル」となっている。
前者はベルリナブラック塗装、後者はダーククロームメッキとベルリナブラック塗装を採用。ノーマルのグリルがワイド感を強調する横桟なのに対して、「フロントミドルグリル」はハニカム形状を採用し、スポーティなルックスを演出する。
そしてナビゲーションはオデッセイ専用の「10インチプレミアムインターナビ」を開発し、新型オデッセイで唯一選択できるディーラーオプション純正ナビとして設定。光の反射を抑えて画面の見やすさを確保するダイレクトボンディングという技術を採用した10インチHD液晶モニター、専用のハードキーなどを備え、優れた視認性と操作性を実現している。
車両に標準装備されるナビ装着用スペシャルパッケージとの連携によりマルチビューカメラシステムにも対応。後退出庫サポートやパーキングセンサー表示も行うことで、安全性の向上にも貢献する。
そのほかにも、室内を光で演出するイルミネーションアイテムや便利なUSBチャージャーもラインナップ。USBチャージャーはインパネアッパーボックス、インテリアパネルセンターロアー、3列目サイドライニング(運転席側)の3ヶ所に追加することができる。
以上のように、外観がリフレッシュされた新型オデッセイの純正アクセサリーは、見た目の個性や利便性をさらに高めるアイテムが目白押しだ。
新型オデッセイには、リフトアップシート車も用意されている。
リフトアップシート車とは、リモコン操作でシートが電動昇降し、乗り降りをサポートしてくれるクルマ。2列目左側のシートが動く「サイドリフトアップシート車」と、助手席が動く「助手席リフトアップシート車」の2種類がラインナップされている。前者が7人乗り、後者が8人乗りで、いずれも2.4LガソリンエンジンとCVTの組み合わせである。
福祉車両全体のマーケットで言うと、7割が法人向けなのだが、ことリフトアップシート車に限定すると、逆に8〜9割が一般家庭向けということになるそうだ。主に「杖や歩行具を使えば歩くことができるが、クルマのステップを跨いで乗り降りするのは大変」という高齢者などの送迎に利用されることが多いとのこと。外観からは普通のクルマと見分けがつかないというのも、個人需要の高さに繋がっている。
試しにリフトアップシートに乗せてもらったが、動きはとてもスムーズで楽に乗り降りができた。動作スピードも不安を感じるほど速いわけでもなく、いらいらするほど遅いわけでもなく、ちょうどいい感じ。
筆者も家族に要介護者を持つひとりだが、こうした福祉車両のありがたさをひしひしと感じる今日このごろ。一般的に福祉車両は廉価グレードがベースとなることが多いが、新型オデッセイの場合はマイナーチェンジで全車がアブソルートに集約され、「サイドリフトアップシート車」に関してはトリプルゾーンオートエアコンや2列目LEDアンビエントランプなど「EX」グレードに準じる上級装備も備わる。あまり妥協することなく、用途に合ったリフトアップシート車が選択できそう、というところもポイントなのである。