TEXT●まるも亜希子(MARUMO Akiko)
実は新型が出た時に、真剣に購入を検討したのがジムニーシエラ。
20代のころは、仕事で体験したことがきっかけでオフロード走行にハマり、プライベートでも伊豆モビリティパークのオフロードコースを楽しんでいた時期があったんです。で、2018年の新型ジムニーの試乗会が奇しくも、超久々に訪れたモビリティパーク。何もかも新しくなったジムニーで走ってみたら、やっぱり楽しくて、「寝た子を起こす」とはまさにこのコト。ジムニーがあったら、これから子供を連れてアウトドアに行く機会も増えるかもと、一気にワクワクしてしまいました。
ただ、私がすごくいいなと思ったのは、文句なしの走破性だけでなく、先代より全幅を50mm短く、全幅を45mm広げたことや、新設計の梯子型に組んだラダーフレームに前後のクロスメンバーが加わったことなどもあって、オンロードでの安定感や快適性がグンと高まりつつ、市街地での取り回しのよさも維持していること。ジムニーだと市街地での快適性はちょっとガマンしなければならないけど、ジムニーシエラは今の私には理想的な1台だなと思えたのでした。
まぁ、皆さんもご存知の通り、納期が1年半以上も先ということで断念したんですが、今でも欲しいSUVです。
2019年に100周年を迎えたシトロエンには、シルクハットを被ったままでも乗れるようにと、ユニークなシルエットに生まれた2CVや、オイルを用いた独創的な「ハイドロニューマチック・サスペンション」など、一風変わったアイディアや手法がたくさんあります。だからC5エアクロスSUVに初めて試乗するときも、「場外ホームランか、大振りの三振か、さぁどっちだ!?」なんてドキドキした乗ったわけです。
それがどうでしょう、ものの数十メートル走っただけなのに、すでに気持ちのいい走りに感動。路面への当たりがフカっとしていながら、ガッシリと踏ん張っている安定感があるという、なんとも言えず不思議な乗り味がクセになってくるのです。まるでステアリングとタイヤがじかにつながっているかのように、誤差なく思い通りに動く感覚も心地よく、ずっと走っていたい素晴らしさでした。
そんな素晴らしさを実現させるため、隠れた目玉といえるシステムが、かつて魔法の絨毯のような乗り心地と絶賛されたハイドロニューマチック・サスペンションを現代的解釈して開発された、PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)。これは15年前のパリ=ダカールラリーで優勝した、ZXラリーレイドに搭載されて以来、WRCに転向してからもシトロエンのラリーカーを支えてきた技術。
悪路を安全に速く走るためのノウハウが積まれてきた技術を、ノーマルカーで一般道を快適に走るために応用したのがPHCということになるんですね。
そんなわけで、しっかりシトロエンらしさが受け継げれているC5エアクロスSUV。
シトロエン中毒の人にも、そうでない人にも勧められるSUVです。
個人的にはSUVには速さを求めていないし、価格的にも手が届かないんですが、ひとりのクルマ好きとして、「これは新しいカタチのスーパースポーツカーだ」と感動したのがウルスでした。
パワートレーンは4.0リットルV8ツインターボ+8速ATで、最大出力650hp、最大トルク850Nm。アクティブトルクベクタリングと4輪操舵による4WDで、スイッチひとつで変えられる5つの走行モードも設定されているんです。
真っ赤なカバーをめくると現れるスタートボタンをワクワクしながら押すと、野太い雄叫びとともに新型のアルミニウム製エンジンがお目覚め。でも荒々しい走りを想像していた私はその後、盛大にギャップ萌えすることに!
というのも、オフロード走行を想定して低回転で高トルクを発生させるため、ランボルギーニ初のターボとなったウルスは、意表をつくほどに丁寧で紳士的な加速フィール。しっかりと路面を捉えるフラットな安定感や、ほどよいインフォメーションを伝えるステアリングフィールなど、さすがスーパーカー譲りと感心できるところもあって、走るのがどんどん楽しくなってくるんです。
さらに室内も、オプションで選択できる4座タイプは、まるで飛行機のプレミアムシートのように、全席が電動調整式でたっぷりとした贅沢なスペース。先進の運転支援システムも装備され、同乗者にもドライバーにも優しい一面があって、なんだか「気は優しくて力持ち、おまけに強面」なところに強烈に惹かれちゃったのでした。
日本の道にはちょっと大きめの全長5mオーバーですが、財力のあるみなさまは、ぜひトライして欲しいと思います。
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