REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)
クラッチはエンジンとトランスミッションの間に取り付けられた「動力伝達装置」で、発進や停止、変速時にエンジンの力をトランスミッションに伝えたり遮断したりするものです。最近のミッション付きバイクにはクラッチレバーに調整機構が付いているモデルが増えましたね。
バイクのクラッチにはワイヤー式と油圧式があります。小型モデルやスポーツモデルなどはワイヤー式が多く、大型バイクなどクラッチ容量が大きく操作に力が必要なモデルには油圧式が多いようです。
また、ワイヤー式はクラッチの遊び量とともにレバーの近さ・遠さを調整できますが、油圧式の場合は遊び量が一定に保たれているため調整できるのは基本的にレバーの近さ・遠さのみとなっています。
ワイヤー式のクラッチの場合、クラッチレバーの根元付近にあるアジャスターを回すことで遊びの量を調整することができます。また、同時にレバーの近さ・遠さも変えられるので自分の手のサイズや操作しやすさに合わせて調整してみてください。
注意点としては、遊びが少なすぎるとクラッチ滑りを起こしたり、ハンドルを切ったときにクラッチワイヤーが引っ張られて半クラ状態になってしまったり。逆に遊びが多すぎるとレバーを引いたときにクラッチの切れが悪く、シフトチェンジがしづらくなったり、とトラブルの原因になることも。適正な遊び量としては、好みもありますが10mm前後が良いでしょう。特にワイヤー式の場合は新車では初期伸びがあり、さらに時間の経過とともに伸びてくるので時々調整するようにしましょう。簡単な調整だけで劇的にクラッチ操作がやりやすくなるので、ぜひ試してみてください。