REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)
クラッチを切るときは「スパッ」と一気に切る。そして、つなぐときは「じんわり」というのがクラッチワークの基本になります。そんなこと知ってる、という人も多いと思いますが、ミスしやすいので発進のとき。急につなぐとバイクがドンと勢いよく前進してしまったり、逆にエンストしてしまったりすることも。そのときに車体が傾いていたり、ハンドルが切れていると、その衝撃で立ちゴケしてしまうことも。
また、クラッチワークでギクシャクしやすいのはシフトダウンのとき。こちらも急につなぐと後輪がロックしてしまったり、ハーフロック状態から後輪がホッピング(跳ねること)してしまうこともあり得ます。そうなると、まともにブレーキをかけられず危険てす。特に滑りやすい路面や下り坂などはなりやすいので、より「じんわり」を意識しましょう。
クラッチを「じんわり」とつなぐ、もうひとつの大事な理由は、エンジンブレーキを緩和するためです。特に2速から1速など、低いギヤでシフトダウンするときに回転数が高いと、エンブレが効きすぎてバイクの姿勢が乱れがちです。最近のバイクにはスリッパ―クラッチやバックトルクリミッターと呼ばれる装置が入っていて機械的にエンブレを和らげてくれますが、そういった機構が無い場合はライダーが自分でエンブレのかかり方を調整しなくてはなりません。コツとしては、全切りの状態から半クラが出るまでは素早くクラッチレバーを戻し、半クラの手応えを感じ始めたらジワッとつないでいくこと。クラッチワークは上手さの証でもあります。ぜひトライしてみてください。