REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)
ツーリングから帰ってくると、もう左手が痛くて仕方がないということありませんか?
原因ひとつとして考えられるのは、クラッチの切りすぎかも。
そこで、クラッチレバーを操作しているところをイメージしてみてください。クラッチ操作に関しては、レバーを引き始めてからクラッチが完全に切れるまでのストローク(ゾーン)は大きく分けて3段階あります。まずはそこを知っていただきたいのです。
クラッチレバーを引こうとすると、最初に何も手応えがないカタカタする「遊び」のゾーンが5mm~10mm程度あるはずです。そこから引いていくとレバーが重くなりクラッチが切れ始めます。これが半クラの状態ですが、そのゾーンは割と短くて10mm~15mm程度引くと完全にクラッチは切れてしまいます。さらに奥までレバーを引き込むこともできますが、それはつまり全切り状態なのにレバーだけ引いていることになります。握力を鍛えるためならそれもありですが(笑)、ツーリングで左手首が痛くなってしまうのは、ムダに握力を使ってしまっているせいかもしれません。
たとえば、低速でUターンするときなど半クラを多用しますが、クラッチレバーを引き過ぎると駆動力が伝わらなくなり、逆に不安定になってしまいます。半クラのゾーンは車種により異なりますが、「どこから半クラが始まり、どこから全切りになるのか」を正確に知っておくことが大事。それがUターンを上手にこなすコツだったりもします。また、最小限のクラッチ操作でシフトチェンジができれば、効率的でタイムラグが少なく、長時間乗っていても疲れにくくなるなどメリットも大。ぜひ試してみてください。