・インフィニティによる今後の「QX60」の変革のビジョンを示す
・エレガントで力強い新たなデザインの方向性を打ち出す
・日本の伝統に着想を得た細部のデザイン
・次世代「QX60」の量産モデルは、2021年に発表予定
エクステリアに焦点を当てると、インフィニティのデザイナーは現代のファミリー向けに洗練された機能的なソリューションとして「QX60 Monograph」をデザインした。ワイドなスタンス、水平のショルダーライン、力強いホイールアーチが合わさって、風格のある姿とSUVらしい個性を生み出している。
「このモデルを作る際、彫刻的・建築的な観点から、『QX60』の今までのイメージを変革したいと考えました。重心を上げ、ボンネットまで続く力強い直線的なショルダーライン、特徴的な高いグリル、前後がより長く見えるキャビンを実現し、力強く圧倒的な存在感が出るようにしました」
と日産のグローバルデザイン担当専務執行役員であるアルフォンソ アルバイサ氏は述べている。
現在の「QX60」はファミリー層に人気があり、広々としたパッケージングと独自の快適な3列シートで知られている。「QX60 Monograph」のプロポーションには、こうした強みを残しながらも、より空力性能の高い力強いシルエットでモデルを変革したいというインフィニティの思いが反映されている。
サイドから見ると、力強い水平のボンネット、力強いフェンダー、長いホイールベースが目を引く。緩やかに傾斜したAピラー、次第に細くなる涙のしずくのような形のグラスハウスが、流れるような洗練された輪郭を生み出している。
さらに「QX60 Monograph」は、「インフィニティ」の名前が浮き上がった、目を引くフェンダーに大口径合金ホイールを採用することで、その性能にインスパイアされた美学が強調されている。
リヤに目を向けると、ワイドボディと対で水平になったウインドウのラインが、「QX60 Monograph」に落ち着きと安定感を与えている。
高いショルダーラインにより、重心を上げて見せます。屋根と精巧に一体化した(同じくグロスブラックの)リヤルーフスポイラーへと続く流麗なラインが、空力性能に優れた外観をさらに強調する。こうしたひとつひとつの特徴が、「QX60 Monograph」の安定感ある力強いスタンスを作りだしている。
「『QX60 Monograph』には、日本の間(ま)という考え方を取り入れています。必要最小限の要素で調和を目指す考え方をさし、明確な意味を備えた要素を過不足なく付け加えることで、特別なものを生み出します。例えばボディは、一見するとシンプルですが、よく観察すると様々な要素が互いに拮抗しながらある種の調和をもたらしています」
とアルバイサ氏は、説明する。
インフィニティの代名詞でもある「ダブルアーチ」グリルのインナーメッシュは、日本の伝統的な遊びである折り紙からインスピレーションを得ている。そのため二次元的な平面でありながら、三次元的な奥行きを感じさせる。バンパー下部の角にあるサイドエアインテークにも、同じメッシュのパターンが反映されている。広いトレッド幅と車体のシャープなラインが相まって、安定感と洗練されたビジュアルを実現した。
大きなパノラマルーフには、「着物の織」をイメージした模様を採用。垂直な線が入り組んだ幾何学模様は、絹の着物のひだや日本の現代建築の構造からインスピレーションを受けている。
「QX60 Monograph」は、次世代の「QX60」に向けてインフィニティが採用するデザインの変革を明確に表した一台だ。次世代「QX60」の量産モデルは2021年に発表を予定されている。
「QX60 Monograph」は、横浜のグローバル本社と2020年北京モーターショーのインフィニティ・ブースで、公開予定だ。日本導入の可能性は低いが、ぜひ日産のフラッグシップSUVとして導入していただきたい1台だ。