REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダ・レブル 250.......599,500円
初代デビューは、2017年の4月。堂々と立派なフォルムと共に、日本的な程良いサイズ感に仕上げられたクルーザーモデル。250と500の兄弟モデルが同時にリリースされ、エンジン関係以外は、ほぼ全てが共通で開発されていた事でも話題に登った。
またプレスリリースによれば「自由な発想でカスタマイズを想起させるスタイリングを表現」とあり、オーナーの好みに合わせて個性を主張する。そんな楽しみを演出できるベースモデルとしても相応しい。4頁物で制作された250の製品カタログより、カスタマイズ・パーツカタログ(6頁)の方が充実していた程なのだ。
確かにそのスタイリングは、ライダーファションも含めて自由度の大きな雰囲気に包まれている。スポーツバイクで無いことは明確で、オーナーそれぞれ好みに応じたニーズに対して柔軟に対応してくれそう。
デザインコンセプトは「SIMPLE」「RAW(未加工の素材) 」とされ、細身でくびれのあるフォルムやブラックに仕上げられたエンジン等が特長。タフでクールなイメージを表現すると言われた。
大きく傾斜してマウントされたタンクデザインや前後に16インチのワイド&ファットサイズタイヤを履くのも個性的である。
ホイールベースは1,490mm と長く、それはCB1000Rを凌ぎ、CB1100に匹敵する。φ41mmのSHOWA製フロントフォーク左右の幅は230mmとワイドに設定。太いタイヤと共に堂々とした存在感を醸しだしている。リヤにはφ45mmのスチールパイプ製スイングアームに窒素ガス封入式ツインショックを装備。フレームはクレードルを持たないダイヤモンド式だ。
DOHC水冷単気筒の搭載エンジンは基本的にCRF250LやCB250Rと共通で、圧縮比の10.7対1も同じ。フリクションの少ないローラーロッカーアームを介して駆動される狭角4バルブヘッドを持ち、ボア・ストロークは76×55mmというショートストロークタイプの249ccである。
その出力特性はCRF250LとCB250Rの中間的なレベルに仕上げられている。トランスミッションはCRF250Lとは別物。1次2次減速比も含めてCB250Rと共通だが後輪の外径寸法の違いで、実際の総合減速比はCB250Rより少し高めになっていると思われる。
パルス感を表現するためエンジン内部のギヤや、マフラー内部構造にもこだわりを持って造り込まれたと言う点も見逃せない特長である。
灯火類は全てLED 化され、丸形ヘッドランプデザインの中に、4灯が組み込まれたフロントマスクもユニーク。ウインカーはクリアレンズの丸形に変更。テールのフィニッシュはスマートに仕上げられた。
なおレブル 250の販売計画台数は、年間9,000台。ヘッドライトカウルやブラウンのカラーシートを装備した上級のS Editionも追加投入されている。初代登場時の販売計画は1,500台であった事を思い出すと、レブル250の人気ぶりが理解できるのである。
気軽に楽しめる自由なジャパニーズ・クルーザー
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
◼️主要諸元◼️
Rebel250〔 〕内はS Edition
車名・型式:ホンダ・2BK-MC49
全長(mm):2,205
全幅(mm):820
全高(mm):1,090
軸距(mm):1,490
最低地上高(mm):150
シート高(mm):690
車両重量(kg):170 〔171〕
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):46.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):34.1〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.8
エンジン型式:MC49E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量(cm3):249
内径×行程(mm):76.0×55.0
圧縮比★:10.7:1
最高出力(kW[PS]/rpm):19[26]/9,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):22[2.2]/7,750
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式★:セルフ式
点火装置形式★:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式★:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):11
クラッチ形式★:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
1速 3.416
2速 2.250
3速 1.650
4速 1.350
5速 1.166
6速 1.038
減速比(1次/2次):2.807/2.571
キャスター角(度):28゜00′
トレール量(mm):110
タイヤ(前/後):130/90-16M/C 67H / 150/80-16M/C 71H
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式
フレーム形式:ダイヤモンド
製造国:タイ
⚫️試乗後の一言!