REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●カワサキモータースジャパン
カワサキ・Ninja ZX-25R SE KRT EDITION.......913,000円
事前情報に溢れたのは、市場でも注目された証と言えるだろう。何しろ250ccにして4気筒エンジン搭載モデルの復活は多くのユーザーにとって大歓迎間違いなしである。
既に情報過多なので詳細解説は割愛するが以前筆者が記した予想記事の誤りについて、言い訳を含めて少し触れておきたい。それはJonathan Reaがヘレスサーキットを疾走する映像から推測した記事で、ZX-25Rのボア・ストロークは「48.5×33.8mmあたりかもしれない」と記していたが、実際は50×31.8mmだった。
かつてのZXR250よりもさらにショートストロークが追求されていた。
筆者の読みが浅かったのは、インドネシア本国では50psを発揮する狙いがあったという点。この点を考えず、日本ではどうせ45psだろうから柔軟な出力特性を加味し排気量もギリギリまで大きく取るとストロークはZXR250より長めにするのではないかと予測したが、結果はハズレてしまったと言う顛末である。
ちなみに圧縮比はZXR250より控えめなので、今後はまだポテンシャル向上の余地を残しているかもしれない。
ところで往年のZXR250とギヤレシオを比較してみた。ZXR250がリヤに18インチホイールを履いていた点をは考慮していないが、総合減速比に着目するとローギヤで34.95 に対してZX-25Rは30.32 。トップギヤではZXR250の11.99 に対して10.74 と高めに振られている。
ちなみに2気筒エンジンのNinja250はローギヤで24.27 、トップギヤでは8.41とさらに高めのセッティグである。つまりZX-25Rはトルクが小さな分をワイドな回転域でカバーするセッティングになっているわけだ。
ただZXR250と比較すると、少々ヤンチャで俊敏ながらもギクシャクとシビアなエンジンフィールだった特性は、現代のニーズを踏まえて、いくらか穏やかで優しい方向にシフトされているように思えたわけである。
少なくともレーサーレプリカでない事は間違いないが、果たして乗り味はどうか。
小気味好い吹け上がりと柔軟な出力特性が印象深い
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
◼️主要諸元◼️
型式:2BK-ZX250E
全長×全幅×全高:1,980mm×750mm×1,110mm
軸間距離:1,380mm
最低地上高:125mm
シート高:785mm
キャスター/トレール:24.2°/99mm
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ
総排気量:249cm³
内径×行程:50.0mm×31.8mm
圧縮比:11.5:1
最高出力:33kW(45PS)/15,500rpm(ラムエア加圧時34kW(46PS)/15.500rpm)
最大トルク:21N・m(2.1kgf・m)/13,000rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:圧送式ウェットサンプ
エンジンオイル容量:2.9L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
ギヤ・レシオ:
1速…2.928(41/14)
2速…2.055(37/18)
3速…1.619(34/21)
4速…1.333(32/24)
5速…1.153(30/26)
6速…1.037(28/27)
一次減速比/二次減速比:2.900(87/30)/ 3.571(50/14)
フレーム形式:トレリス
懸架方式(前/後):テレスコピック(倒立・インナーチューブ径φ37mm)/スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク)
ホイールトラベル(前/後):120mm/116mm
タイヤサイズ(前/後):110/70R-17M/C (54H)/ 150/60R-17M/C (66H)
ホイールサイズ(前/後):17M/C×MT3.50/ 17M/C×MT4.50
ブレーキ形式(前/後):シングルディスクφ310mm(外径) /シングルディスクφ220mm(外径)
ステアリングアングル(左/右):35°/ 35°
車両重量:183kg(184kg)
使用燃料無鉛:プレミアムガソリン
燃料タンク容量:15L
乗車定員:2名
燃料消費率(km/L):
24.0km/L(60km/h・定地燃費値、2名乗車)
18.9km/L(WMTCモード値、1名乗車)
最小回転半径:2.6m
⚫️試乗後の一言!