他のボルグワーナーGearDriveユニットとは異なり、iDMは平行軸変速機を採用せず、代わりに電気モーターと同軸に動力を出力する同心軸変速機を特徴とし、よりコンパクトなパッケージを実現している。この高性能変速機は、4,278Nmの軸トルクと最大13,800rpmの入力速度に対応、効率の高い、滑らかな乗り心地を実現、ボルグワーナーは一体化されたパーク・モジュールを開発し、iDMシステム全体に適切な熱管理を施せる効率的な冷却および潤滑システムを開発するなど、すべてのコンポーネントを一つのコンパクトなアセンブリ内に納めることに成功した。適応性の高いアーキテクチャにとどまらず、高度なインテグレーション、高いシステム効率及び最適化されたNVH(ノイズ、振動、ハーシュネス)特性をも同時に実現した。
iDMはマスタング・マッハEの後軸に搭載。全輪駆動のGT仕様では前輪にも動力を供給するセカンダリ・ドライブ・ユニットを提供する。生産開始は本年中の予定。
ボルグワーナー・パワードライブ・システムズ社の社長兼事業本部長のステファン・デメール博士(Dr. Stefan Demmerle)は、「当社のシステム・インテグレーションにおける知見と変速機に関するノウハウを融合した結果、組み立てが容易で静粛性の高いiDMを開発することに成功しました。特に静粛性はEVにとって、ますます重要な要件になっています」「マスタング・マッハE同様、当社のiDMは環境に優しく、スリリングであることを望むドライバーの熱い期待に十分に応えることができます。今回、再びフォードと提携し、高品質かつクリーンで高効率の電動化ソリューションをハイパフォーマンスEV市場に提供することになり、嬉しく思います」と述べている。