CES2020で発表されたこのSONY VISION-Sは、それらの技術を自らクルマの未来のビジョンを見据えることによって、より発展させるためのテストカーなのだろう、だから市販とは関係ないのだ。そう捉えていた。
しかし、実際にクルマに触れてみると、そのテストカーとしての感覚とは、ちょっと違うんじゃないか?そう感じさせるのがVISION-Sだったのだ。
低い車体、そして伸びやかなボディ。VISION-Sに近づくと、遠目からそのプロポーションの良さが印象的だ。床下にバッテリーを搭載するEVであるにもかかわらず、アイポイントが高くない。普通のセダンやクーペの佇まいを持っている。
そして乗り込んでみると、フロアが低い。本当にこれがEVなのか、と思うほど。もちろんテスラという好敵手はいるが、これまで内燃機関搭載車を作ってきた自動車メーカーとの大きな違いが、ここだろうと思う。
また、ルーフ一面がシースルーのグラスルーフとなっているので、その明るさは群を抜いてる。テスラも同様のルーフを持つが、センターに左右にわたる補強材を設けているのが異なる。この部分、法規上も強度的に充分とのことだ。
インパネ左右に大きく広がるのは、液晶パネル。そのワイドさは最新のメルセデス・ベンツの4割増しといったところ。全幅がカラーパネルで、その両端がサイドミラーに変わるモニター映像。高精細であるために、実にリニアに見える。当然ながら、天候や明るさに強く、さまざまなシチュエーションでも高い視認性を示すという。
ソニーではこれを、パノラミックスクリーンと呼んでおり、視線移動を横方向だけで情報を得られる上、助手席のパッセンジャーが独自に情報を探したり、ドライバーと共有できるためのユニットでもあるという。
これらVISION-Sのデザインやシステムについては、8月11日のモーターファンJP「火曜カーデザイン特集」で、さらに深くレポートしていこう。