MX-30にコンベのガソリンエンジン搭載仕様を国内投入するのは、マツダによれば、長期ビジョン「サステナブル"Zoom-Zoom"宣言2030」に基づき地域ごとに低先な動力源を適用するマルチソリューション戦略の一環だという。
MX-30 ガソリン搭載モデルの国内投入は今秋、EV仕様は今年度内にリース販売される予定であることも発表された。
マツダは、電動化テクノロジーを「e-SKYACTIV」と呼んでいる。東京モーターショーで発表したMX-30(EV)にも、今回のMX-30(G2.0+M HYBRID)にも、「e-SKYACTIV」のバッジが付いている。
M HYBRIDは日本ではSKYACTIV-X搭載車のみに採用されているが、欧州仕様ではSKYACTIV-G2.0やMAZDA2のG1.5(ただしMAZDA2はB-ISG + i-ELOOPを採用し、 リチウムイオンバッテリーではなくキャパシタに蓄電する)にも組み合わされている。つまり、24Vマイルドハイブリッドである。
ハイブリッド用モーターはストロングハイブリッドの多くがそうするような、トランスミッションに内蔵する方式ではない。オルタネーターやスターター機能とアシスト、エネルギー回生を兼用するタイプで、マツダはベルトドリブン・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(B-ISG=ベルト式ISG)と呼ぶ。見た目は大きなオルタネーターだ。24Vで駆動し、MAZDA3のSKYACTIV-Xの場合は、最高出力は4.8kW、最大トルクは60.8Nmだ。
MX-30の詳細なスペックは発表されていないが、おそらくM HYBRIDは24Vだと予想する。いずれ48V化されると予想するが、今秋発売モデルはSKYACTIV-G2.0+24V M HYBRIDだろう。
日本仕様にはこれまで存在しなかったSKYACTIV-G2.0 + M HYBRIDは欧州仕様にはすでに存在している。
MAZDA3(欧州仕様)のスペックはこうだ。
SKYACTIV-G2.0
排気量:1998cc
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
圧縮比:13.0
最高出力:122ps(90kW)/6000rpm
最大トルク:213Nm/4000rpm
燃料:95 RON
となっている。
MAZDA3(日本仕様)は
SKYACTIV-G2.0
排気量:1998cc
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
圧縮比:13.0
最高出力:156ps(115kW)/6000rpm
最大トルク:199Nm/4000rpm
燃料:レギュラーガソリン
だから、欧州M HYBRID仕様のSKYACTIV-G2.0はピークパワーが34ps抑えられ、そのかわり最大トルクが14Nm高い仕様である。
今回のMX-30には、どちらの仕様が載るのか、現状不明である。
「MX」のモデル名は、マツダとして革新的なトライをするクルマにつけられるものだ。今回のMX-30も新しいコンセプト「Human Modernコンセプト」、電動化技術「e-SKYACTIV」、魂動デザインの新しい方向性など見所の多いモデルである。
じつは、MX-30とクロスオーバーのCX-30のボディサイズは
全長×全幅:4395mm×1795mm
ホイールベース:2655mm
で共通である。
ピュアEV:MX-30(EV)
王道クロスオーバー:CX-30
という2モデルの間に、MX-30(G2.0+ M HYBRID)が入ってくるということになる。
EVだけなら多くの販売台数は現状望むのは難しい。コンベンショナルなエンジン搭載モデルがあるとなれば話は別だ。車両価格も、EVよりはかなり低く設定できるはずだ。
また、噂にあるロータリーエンジン搭載のレンジエクステンダーEVも、今後MX-30に追加される可能性はもちろんあるだろう。MX-30がどう進化していくか、本当に楽しみだ。
また、CX-30とMX-30をどうやって並立させていくか、マツダの今後の戦略に注目していきたい。
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