住友商事は、US MAGNESIUM LLCの製品である金属マグネシウムの製造工程で発生する残渣から抽出された炭酸リチウムの日本・韓国・中国向けの販売代理店契約を締結した。2020年8月から販売を開始する予定。

 炭酸リチウムは、自動車のバッテリーやノートパソコンなどのモバイル電源として欠かせないリチウムイオン電池の原料。また、耐熱ガラス用添加剤をはじめ産業用途としても底堅い需要がある。さらにハイブリッド車や電気自動車向けの需要拡大が見込まれる中、国内で必要となる炭酸リチウムは、ほぼ全量を輸入に頼っており、今後の長期的な安定確保が重要となっている。




 US MAG社は世界最大級の金属マグネシウム製造・販売会社。US MAG社の金属マグネシウム製造工程で発生する残渣にはリチウムが高濃度で含有されており、残渣を精製することで今後20年以上にわたり炭酸リチウムの製造・供給が可能だ。なお、商業プラントは2020年6月に完工、7月から量産を開始した。US MAG社の炭酸リチウムは、残渣を再利用して製造することから、環境負荷が低く、コスト競争力が高いことが特徴である。




 住友商事は、US MAG社と電極の取引で20年にわたり関係を築いている。今後、年間約1万トンの炭酸リチウムの販売を予定しており、リチウムイオン電池向けならびにセラミック、ガラス関連産業向けへの販売を目指していく。

US MAG社のソーラーポンド(写真手前)およびグレートソルト湖(写真奥)

【会社概要】


会社名:US MAGNESIUM LLC(ユーエス・マグネシウム)


所在地:米国 ユタ州 ソルトレイクシティ


代表者:Ron Thayer


設立:1972年


主要製品:金属マグネシウム、塩素誘導体、その他塩化物、炭酸リチウム(2020年7月から商業生産開始)
情報提供元: MotorFan
記事名:「 住友商事:米国産炭酸リチウムの日本・韓国・中国向け販売代理店契約締結について