ところが、この4月末、コロナ禍による「外出自粛」、「自宅勤務」などにより暇を持て余した走り屋達が、再び首都高速の環状線に集結したという報道にちょっとびっくり。なぜなら、今時の都心環状線は、以前のように猛スピードで周回できる状況ではないし、今の若者は「命懸けで走る」という今となっては馬鹿げた気合など持ち合わせていないからだ。
事実、首都高都心環状線の制限速度は、一般道路並みの50km/h。さらに、人気があると言われている外回りの都心部分にはオービスが2機、待ち構え、銀座付近や飯倉トンネルでは、移動オービスによる取り締まりも頻繁に行われている、さらに、昔のような複数台による抜きつ抜かれつのバトルをしたひには、最盛期にはなかった「共同危険行為」(法律そのものは以前からあったが、2002年より被害者がいなくても取り締まり可能という改正がなされた)により免許取り消しになるばかりではなく2年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科せられることになる。一般に「時代は繰り返す」といわれているが、もはや繰り返しようがないというのが現状だ。
もちろん、このゴールデンウィーク中に、首都高に若者が集まったというのは事実だが、情報によると、要は、そのほとんどが、箱崎や芝浦、辰巳などのパーキングエリアにご自慢のクルマを駐め、ミーティングやオフ会を行っただけのこと。それを、「ルーレット族復活!」などと煽り立てるなんて、いつものことながら、各メディア報道のいいかげんさが露呈したに過ぎないのだ。
とはいえ、都心環状線だけではなく、9号深川線などに移動オービスが出没しているというのは事実。これを機に、首都高は名ばかりの高速道路であり、実は一般国道と同等であることを、再認識してほしい。