あのアニメのプラモだから「ガンプラ」、クルマのプラモデルだから「カープラ」。外出がままならない今、肩の力を抜いてちょっとカープラを作ってみませんか? 気になるカープラをピックアップして実際に組み立てながら、実車も振り返ってみましょう。 今回はハイトワゴン+SUVという新たなジャンルを開拓したスズキの初代ハスラーのカープラを取り上げてみました。


TEXT&MODEL-BUILD◎高橋昌也


PHOTO◎スズキ

初代ハスラーってどんなクルマ?

初代フロントビュー

初代リヤビュー

2代目フロントビュー

2代目リヤビュー

 スズキのハスラーはワゴンRと共通のプラットフォームを用いつつ軽ワゴンタイプの乗用車とSUVを融合させた、新しいジャンルの新型軽自動車として2013年12月24日に発表され、翌2014年1月8日に発売されました(以後、ここでは2019年12月24日に発表されてバトンタッチされた現行モデルを「2代目」、それ以前の旧型を「初代」と称します)。「アクティブなライフスタイルに似合う軽クロスオーバー」をコンセプトに、軽ワゴンと同等の広い室内空間とワンランク上のラフロード走破性を両立するべく開発されており、個性的なSUVテイストのデザインと豊富な車体色、普段の街乗りからアウトドアまで使い勝手に優れた機能・装備を特長としています。


 また、減速エネルギー回生システム「エネチャージ」をはじめとしたスズキの次世代環境技術「スズキグリーンテクノロジー」の採用により、29.2km/Lの優れた燃費性能と軽快で力強い走りを実現。CVT全車をエコカー減税の免税対象車としたほか、4WD/CVT車には、急坂を下る際に車速を約7km/hに維持する「ヒルディセントコントロール」と、雪道などの滑りやすい路面での発進をサポートする「グリップコントロール」を軽自動車で初めて採用。さらに、レーダーブレーキサポート「衝突被害軽減ブレーキ」や誤発進抑制機能などの先進の安全技術も搭載しています。この安全性能の高さにより、2016年にはJNCAP予防安全性能アセスメントにおいて軽自動車で初めて満点を取得し、最高ランクの「先進安全車プラス(ASV+)」 を獲得、翌2017年には同じく「ASV++」を獲得しています。


 初代ハスラーは様々な特別仕様車やコラボレート車をも生み出し多種多様な仕様が存在しますが、大きく言えばA、G、X(後にJと交代)の3グレードのNA(自然吸気エンジン)車、ターボ車のGターボとXターボ(後にJターボと交代)の2グレードの計5グレードを基本とします。それぞれにFF・2WD車とフルタイム4WD車が用意され、さらに5MT車とCVT車が用意されました(後にJおよびJターボ、GターボはCVTのみに一本化)。


 しかし初代ハスラーにおける最大の変更点は2015年の新機種設定および一部改良において、 「エネチャージ」搭載車は「エネチャージ」からモーター機能付き発電機 (ISG)搭載のいわゆるマイルドハイブリッド・システムへ進化した「S-エネチャージ(Sはスーパーの略)」へと一新したことで、エンジンの最適化とあわせてさらなる燃費向上を達成し、最高32.0km/Lを実現しました。


 初代ハスラーは好調のうちに2019年12月24日の発表をもって2代目へとフルモデルチェンジし、現在に至っています。

初代ハスラーの年譜

初代ハスラーは2013年12月24日に発表、2014年1月8日に発売され、2019年12月24日の新型発表で現行の2代目へバトンタッチされました。その歩みは以下のようになります。




●2013年12月24日


 新車発売


●2014年1月8日


 新車発売


●2014年12月25日


 RJCカーオブザイヤー受賞記念特別仕様車「J STYLE」発売。専用色および装備充実仕様。


●2015年5月13日


 NA(自然吸気)・CVT車に搭載の「エネチャージ」を「S-エネ チャージ」に変更した機種を設定(「G」のNA・CVT車、「X」のNA車、特別仕様車「J STYLE」)、改良型R06A型エンジンを組み合わせ、32.0km/Lの燃費性能を達成。


●2015年12月7日


 一部改良。ターボ車に「S-エネチャージ」を搭載、27.8km/Lの燃費性能を実現。ステレオカメラ方式の衝突被害軽減システムや専用車体色などを新たに採用。


 特別仕様車「J STYLE㈼」を設定。


●2016年3月24日


 JNCAP予防 安全性能アセスメントにおいて軽自動車初の満点を取得、最高ランクの評価 「先進安全車プラス(ASV+)」を獲得。


●2017年1月10日


 2016年度JNCP予防安全性能アセスメントにおいて最高ランクの評価である「ASV++(ダブルプラス)」を獲得。


●2017年12月4日


特別仕様車「Fリミテッド㈼」および「J STYLE㈽」を設定。専用色および装備充実仕様。


●2018年7月17日


 特別仕様車「タフワイルド」を設定。専用色および装備充実仕様。


●2018年11月1日


 一部仕様変更、「G」、「Gターボ」のCVT 車に衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備。


 新グレード「J」および「Jターボ」を設定、「X」および「Xターボ」を廃止。


 カシオ計算機(株)のBABY-G「WANDERER SERIES(ワンダラーシリーズ)」と コラボレートした特別仕様車「Wanderer(ワンダラー)」を設定。




●2019年12月24日


 新型2代目ハスラー発表(2020年1月20日発売)

2014年12月25日 「JSTYLE」ブルーイッシュブラックパール3 ホワイト2トーンルーフ

2015年5月13日 「G」 S-エネチャージ搭載車 クリスタルホワイトパール ブラック2トーンルーフ

2015年12月7日 「J STYLE II」アクティブイエロー ブラック2トーンルーフ

2017年12月4日 「FリミテッドII」デュアルカメラブレーキサポート・全方位モニター用カメラパッケージ装着車 ブリスクブルーメタリック スチールシルバー2トーンルーフ

2017年12月4日 「J STYLE III」全方位モニター用カメラパッケージ装着車 ブレイブカーキパール スチールシルバー2トーンルーフ

2018年7月17日 「タフワイルド」オフブルーメタリック ブラック2トーン

2018年11月1日 「Jターボ」J フェニックスレッドパール ホワイト2トーンルーフ

2018年11月1日 「ワンダラー」全方位モニター用カメラパッケージ装着車 シフォンアイボリーメタリック ウッディ2トーンルーフ

初代ハスラーのグレード

●2014年導入車(2014年1月8日〜)


 A/G/X


  パワーユニット:660ccエンジン+5MTまたはCVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):104万8950円〜149万2050円


 Gターボ/Xターボ


  パワーユニット:660ccターボエンジン+5MTまたはCVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):129万5700円〜157万6050円


 特別仕様車「J STYLE」(2014年12月25日)


パワーユニット:660ccエンジン+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格:(税込み・当時)147万9600円〜160万5960円




●「S-エネチャージ」搭載型改良車(2015年5月13日〜)


 G/X(2015年5月13日〜)


  パワーユニット:660ccエンジン+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):126万1440円〜154万9800円


 特別仕様車「J STYLE」(2015年5月13日)


  パワーユニット:660ccエンジン+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格:(税込み・当時)149万4720円〜162万1080円




●一部改良車(2015年12月7日〜)


 A/G(5MT)(2015年12月7日〜)


  パワーユニット:660ccエンジン+5MTまたはCVT(Aのみ)


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):107万8920円〜127万7640円


 G(CVT)/X(2015年12月7日〜)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):127万3320円〜158万7600円


 Gターボ/Xターボ(2015年12月7日〜)


  パワーユニット:660ccターボエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):135万9720円〜167万4000円


 特別仕様車「J STYLE㈼」(2015年12月7日)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):151万7400円〜164万3760円


 特別仕様車「J STYLE㈼ターボ」(2015年12月7日)


  パワーユニット:660ccターボエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):161万1360円〜173万7720円


 特別仕様車「Fリミテッド㈼」(2017年12月4日)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):143万1000円〜155万7360円


 特別仕様車「J STYLE㈽」(2017年12月4日)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):158万4360円〜171万720円


 特別仕様車「J STYLE㈽ターボ」(2017年12月4日)


  パワーユニット:660ccターボエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):167万8320円〜180万4680円


 特別仕様車「タフワイルド」(2018年7月17日〜)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):148万7160円〜161万3520円




●一部仕様変更車(2018年11月1日〜)


 A/G(5MT)(2018年11月1日〜)


  パワーユニット:660ccエンジン+5MTまたはCVT(Aのみ)


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):110万520円〜131万3280円


 G(CVT)/J(2018年11月1日〜)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):132万3000円〜161万1360円


 Gターボ/Jターボ(2018年11月1日〜)


  パワーユニット:660ccターボエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):140万9400円〜170万5320円


 特別仕様車「Wanderer(ワンダラー)」(2018年11月1日)


  パワーユニット:660ccエンジン+「S-エネチャージ」+CVT


  駆動方式:FF・2WD/4WD


  価格(税込み・当時):160万8120円〜173万4480円

初代ハスラーの主要諸元

●2014年導入車


A/G/X


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:750kg(A・5MT/FF)-850kg(X・CVT/4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:52ps(38kW)/6000rpm


  最大トルク:6.4kgm(63Nm)/4000rpm


 トランスミッション:5MT/CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:23.2km/L(A・5MT/4WD)-29.2km/L(G・CVT/FF,X・CVT/FF)(JC08モード)




Gターボ/Xターボ


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:810kg(Gターボ/FF・2WD)-870kg(Xターボ/4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:64ps(47kW)/6000rpm


  最大トルク:9.7kgm(95Nm)/3000rpm


 トランスミッション:CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:25.0km/L(4WD)-26.8km/L(FF・2WD)(JC08モード)




●2015年「S-エネチャージ」搭載型改良車




G/X(CVT車)


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:790kg(G/FF)-850kg(X/4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:52ps(38kW)/6000rpm


  最大トルク:6.4kgm(63Nm)/4000rpm


 トランスミッション:CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:30.4km/L(G,X/4WD)-32.0km/L(G,X/FF)(JC08モード)




●2015年一部改良型


A/G/X


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:750kg(A・5MT/FF)-850kg(X・CVT/4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:52ps(38kW)/6000rpm


  最大トルク:6.4kgm(63Nm)/4000rpm


 トランスミッション:5MT/CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:24.2km/L(A・5MT/4WD)-32.0km/L(G,X/FF)(JC08モード)




Gターボ/Xターボ


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:810kg(Gターボ/FF・2WD)-870kg(Xターボ/4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:64ps(47kW)/6000rpm


  最大トルク:9.7kgm(95Nm)/3000rpm


 トランスミッション:CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:26.2km/L(4WD)-27.8km/L(FF・2WD)(JC08モード)




●2018年追加グレード「J」「Jターボ」(「X」「Xターボ」と交代)


J


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:800kg(FF・2WD)-850kg(4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:52ps(38kW)/6000rpm


  最大トルク:6.4kgm(63Nm)/4000rpm


 トランスミッション:CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:30.4km/L(4WD)-32.0km/L(FF・2WD)(JC08モード)




Jターボ


 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1665mm


 ホイールベース:2425mm


 車重:820kg(FF・2WD)-870kg(4WD)


 駆動方式:FF・2WD/4WD


 エンジン:660cc直3 DOHC 12バルブ(R06A)


  最高出力:64ps(47kW)/6000rpm


  最大トルク:9.7kgm(95Nm)/3000rpm


 トランスミッション:CVT


 タイヤ:(前後)165/60R15


 燃費:26.2km/L(4WD)-27.8km/L(FF・2WD)(JC08モード)

初代ハスラーのカープラ

フジミ模型『 1/24 車NEXTシリーズ No.2 スズキ ハスラー(パッションオレンジ)』メーカー希望小売価格4100円(税抜き)

 現在のところ初代ハスラーのカープラは、フジミ模型(以下、フジミ)の1/24スケールのものとアオシマ文化教材社(以下、アオシマ)の1/32スケールのものが発売されています。実車人気の高さがうかがえますね。アオシマの製品は前回のトヨタC-HRと同じシリーズですので、今回は1/24スケールのフジミ模型の方を選択しました。


 実車の1/24という大きさはカープラのスケール(縮尺)としてたいへんオーソドックスで、国内外の様々なメーカーから同スケールのカープラが発売されており、最多アイテム数を誇ります。それこそ軽自動車からトラック、スーパーカー、F1マシンに至るまで用意されていますから、色々と並べて実車のサイズを実感したりするには格好のサイズと言えます。また、フィギュアや小物アクセサリー、カスタム・パーツやホイールなども数多く販売されていますから、自分だけのカスタムを楽しむにもうってつけのサイズです。


 さて、フジミの1/24初代ハスラーのカープラですが、前回のアオシマのカープラ同様に「接着不要、塗装不要」をうたっており、組み立ててシールを貼るだけです。この初代ハスラーは「次世代のプラモデルのあり方」を模索し「組み立てるだけで満足感ある仕上がり」を目指したフジミの意欲的な『NEXT(ネクスト)』シリーズに属する『車NEXT』シリーズの1台で、この『NEXT』シリーズは戦艦「大和」などの軍艦を扱う『艦NEXT』シリーズからスタートしました。現在、『車NEXT』シリーズにはこの初代ハスラーのほか、トヨタ・ヴェルファイア、トヨタ・アルファード、トヨタ・FJクルーザーがあります。面白いのは初代ハスラーのバリエーションとしてOEM車のマツダ・フレアクロスオーバーが用意されていることでしょう。尚、フジミには組み立てには接着は必要だが塗装は不要という『カーモデルEASY』シリーズもありましたが、こちらは現在は休止中のようです。


 なお、今回製作したカープラの商品名は「スズキ ハスラー」となっているだけですが、メーカーの説明ではこの「パッションオレンジ」と「サマーブルーメタリック」および「ピュアホワイトパール


」は「XグレードのCVT、FF・2WD」だそうです。「G/フェニックスレッドパール」および「G/アクティブイエロー」は「GグレードのCVT、FF・2WD」で、Gグレード用スチールホイール、バイザー、室内フロント部単眼カメラの部品が追加されています。

軽自動車の模型でありながら、さまざまな色で成形された部品がビッシリと詰まっている。

今回使用する工具は前回も使用した部品を切り出すニッパー、シール貼りに使用するピンセットとつまようじに加え、ニッパーの切り跡の処理やシールの切り出しなどに使用するカッターナイフ、部品の合わせの調整に使用する精密棒ヤスリ(ダイヤモンドヤスリ)のセットがあると良い。いずれも100均で購入したもの。この他にシールを切り出すためカッティングマットとアルミ定規も用意しておきたい。これらも100均で購入可能だ。

7色(オプション含めると8色)もの成形色の部品を使って無塗装モデリングを成立させているのは驚異的。外装まわりの部品の光沢も素晴らしい。

サイドウィンドウおよびリヤウィンドウの部品はクリアーとスモークブラックの2種類が用意されており、どちらか選べるようになっているサービスはうれしい。

再現度と精密感がアップするということは、必然的に小さい部品や細い部品が増えるということ。つまり製作途中の部品紛失や破損の可能性が高まるので、製作には十分に注意したい。

シートまわりの車体色のパイピングは自分でカッターを使ってシールを細いテープ状に切り出して現物合わせで貼る必要がある。これが正直、疲れる…。

初代ハスラーを作ってみた

 接着不要・塗装不要とは言うものの、今回の初代ハスラーのカープラは前回作ったアオシマの1/32トヨタC-HRよりもサイズが大きくなったぶん模型としての再現性や精密度がアップしているため、より細かな部品やシールが増えており、作業の手間も確実にアップしています。


 組み立てそのものは1/100や1/60サイズのロボット・プラモデルを作ったことのある方なら難しくないと思います。ただし部品のハメ込みのボス(主に樹脂製品で他部品を締結する際に使用される面状に隆起した凸形状の結合部分。本来の意味と違うが「ダボ」「ピン」「軸」と言う場合もある)とボス穴があまりにカッチリとし過ぎてキツい部分が見られますから、ハメ込む前にボス穴を棒ヤスリで軽く2〜3回転さらっておくか、ボスをカゥターで軽く削いで「遊び」を作っておくといいでしょう。


ハメ合わせ(勘合)がキツ過ぎるとボスがボス穴の途中で止まって動かなくなり、キッチリとハメ込むことが出来なくなって泣くことになります。実は筆者も一か所失敗してボスを折ってしまいました。また、ハメ込む時の部品の角度にも気を付けないと、力をかけ過ぎてしまいボスや部品そのものを折ってしまうことがあります。力まず気長に確実に作業しましょう。焦りは禁物です。


 このカープラの難所は、やはり前回の1/32C-HR同様にシール貼りです。今回は最初に一気に貼るのではなく、製作の都度都度でシール貼りをして行くことになりますから、各工程で貼り忘れがないか慎重にチェックしながら進めましょう。特に内装のシートまわりのパイピングが難所です。ここは自分でシールを細長いテープ状に切り出して貼らないとなりませんので恐ろしく面倒です。サイドウィンドウとリヤウィンドウはクリヤーとブラックスモークの部品が用意されていますから、前席のシートバックだけに貼り、ブラックスモークの部品を使ってごまかしてしまうのも手かも知れません。


 もう一つの難所はサイドウィンドウの窓枠とピラー部分のシール貼りで、ここは組み立て説明書を見てもわかり難い部分があります。たとえばシール3および20はサイドの三角窓の後方の窓枠に貼りますが、この指示がわかり難かったりします。


 かなり苦戦する部分もありますが、完成すると初代ハスラーの魅力を余すところなく伝えてくれる模型となります。日本のプラモデルの技術的進化の到達点の一つとしても面白いので、機会があればぜひ作ってみていただきたい一作です。

工作の流れ

まずは下回りの工作からスタート。フロントとリヤのサスペンションはまさに実車の1/24縮小版という感じ。リヤサスは9パーツで構成される細かさ。

フロントは実車の構造とは微妙に違うがステアが切れるのに感動する。しばし見入ってしまった。

エキゾーストパイプの部品を見るときちんとセンサーがモールドされているのに驚かされる。

完成した下回り。FF・2WDのCVT仕様で模型化されていることがわかる。こうやって下回りを俯瞰することは実車ではまず不可能。模型の醍醐味だ。

インテリアはバスタブ型の部品にペダルやインパネ、フロントとリヤのシートバックなどを組み付けていくオーソドックスな構成。シートのパイピングにはほぼ半日費やした。

インテリアと下回りを合体させてシャシー側は完成。ホイールは上品なつや消し処理のメッキ、タイヤはゴム製で別体。

サスペンションに続き、このカープラで驚いたのはベース、レンズ、ベゼルの3パーツから成るヘッドライト部分。かなりリアリティが高い。

シャシー部分とボディを合体させたらウィンドウや外装パーツを組み付けていく。完成までもう少し。

完成したカープラをフロントから見る。いくつもの成形色の部品がまるでパスルのように組み合わさって生み出される色分けされたボディには舌を巻く。

完成したカープラをリヤ側から。リヤ側のシールの貼付位置については説明書で何ら解説されていないので、組み立て時の参考にしていただければ幸い。

初代ハスラーの実車を買うには?

 このカープラと同じ初代ハスラーは2020年5月現在、すでに2代目にモデルチェンジされているため中古車でしか購入できません。本サイトの「MotorFan特選中古車検索」で調べると、2014年モデルの37万円から2017年モデルの168万円まであり、平均的に見て100万円といったところでしょうか。人気車種だけにタマ数も豊富ですから予算と好みに合わせて選び放題でしょう。オススメは燃費のよい2015年以後の「S-エネチャージ」搭載車。クルマのキャラクターから言ってハードなラフロード走行をするものでもないので、無理に5MTを選ぶ必要はないと思います。高速道路の走行などを考えた場合はターボが良いでしょうし、釣りやキャンプなどに使う場合はラフロード走行に比較的不安のない4WDが良いでしょうが、そのへんはユーザーのお好み次第で。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 スズキ 初代ハスラーを作る フジミ模型 1/24 車NEXTシリーズ No.2 スズキ ハスラー(パッションオレンジ)【#お家でカープラ】第2回