だからこそ、各社のニューモデルの軽自動車には、最新の先進安全装備を惜しみなく投入される。
新型ルークスにもさまざまな安全機能が追加されているが、中でも注目なのがドライバーの脚部を守る「ニーエアバッグ」だ。
REPORT:森田 準(ニューモデル速報編集部)
新型ルークスの上位モデル「ハイウェイスター」には、計7つものエアバッグが装備されている。
その中でも軽自動車初の装備となるのが「ニーエアバッグ」だ。
ニーエアバッグの本体と火薬の爆発によってガスを送り込むインフレーターは、ステアリングの下部に備えられており、衝突事故の際に壁のように展開して、ドライバーの下半身が前方にズレるのを抑制し、下肢の障害を軽減。
ステアリングのエアバッグとともにドライバーを保護してくれる、新たな装備だ。
とはいえ前述の通り、軽自動車のタイトな室内はドライバと車内各部とのクリアランスが小さい。
さらに、ニーエアバッグが保護を担当する膝まわりは特にクリアランスがない上に、衝突とともにドライバーの身体が前進してくるために、ニーエアバッグの展開に使えるスペースはわずか8mmしかないそうだ。
そこで考え出されたのが2段展開構造。
エアバッグ自体は座布団のような四角いものだが、内部に隔壁が設けられ、まず図の赤で示された手前側部分に高圧ガスを送り混んで展開を開始。
小さなエリアにガスを送り込むことで展開時間を短縮しつつ、青で示されたバッグが折りたたまれた状態の未展開部分の硬さを利用して、エアバッグのリッドを突き破る。
リッドから飛び出たあとは、隔壁の両脇に設けられた広い隙間から一気に前夜いのガスを行き渡らせて全展開して、ドライバーの脚部を受け止める、といったプロセス。
これを瞬時に行なうというのだから凄い。
この解答に行き着くまでの試行錯誤や、アイディアを実現させる開発作業もさぞ大変だったことだろう。
こうした数々の開発エンジニアの苦労のよて、クリマの安全が高められているのだ!