REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●フォトスペースRS
※4MINIチャンプ16より(2009年発売)
ミニバイク用からビッグバイク用まで、数多くの外装類をリリースする『才谷屋フアクトリー』がプロデュースした、モンキーがベース(とは言っても、残っているモンキーパーツはエンジン程度かも!?)の美しい超カスタム。
フレームはトラス形状が特徴の、OVERレーシング製モンキー用OV29フレームキットに変更(スタビライザー付きアルミスイングアームやアルミ削り出しバックステップを含む)。
フロントフォークは、モンキーカスタム定番の、NSR Mini用Φ30正立型とし、前後ホイールはNSR Mini用12インチ3本キャストホイールを組み合わせ。
前後のブレーキはディスク化し、フロントにブレンボ製4POTキャリパー、リアにブレンボ製2POTカニキャリパーを導入して制動力&カスタム度を大幅にアップ。
極め付けは、シャープでスパルタンな『才谷屋フアクトリー』のFRP製カウル類。フルカウル、シートカウル、タンクカバーは、すべて市販のNチビ用、つまり「NSR50/80」「NSR Mini」「NSF100」適合用だが、随所にワンオフのステー等を駆使して、モンキー用OV29フレームにコーディネイト。
軽量で頑丈なカウル類の最大のポイントは、カウル製作を知り尽くした、才谷屋ファクトリーならではの造形の美しさ。レースでの使用はもちろん、ドレスアップ用としても高い人気を獲得している。
ホンモノに負けず劣らすの滑らかなボディライン、絶妙な陰影を作りだす凹凸部、作り込まれたレーサーなダクト部、後方2本出しマフラー(ワンオフ)とテールカウルが織り成す絶妙なリアビュー等々、そのクオリティとアレンジ力の高さは、まさにプロが成せるワザ。
フルカウルは耐久レース用(2灯or1灯)に加え、スプリントレース用もスタンバイ。市販品はすべて白ゲルコート仕上げ。写真はレッドカラー塗装したもの。
「ドゥカカティ1098」のレプリカモンキーに組み込まれているフレーム&スイングアームが、写真のOVERレーシング製モンキー用OV29フレームキット。こんなオリジナルフレームを、プラモデル感覚で愛車に導入する……。小さくて軽量なモンキーだからこそできる、モンキーカスタムの理由がよーく分かる一コマだ。
OV29フレームキットのポイントは、スタンダードフレームでは物足りなかった剛性を飛躍的に向上させ、コーナーリングでの安定性がアップ。また、チューニングエンジンのパワーをも十分に発揮できるのが特徴。
【キット内容】
・スチール製トラスフレーム
・レーシングバックステップ
・アルミスイングアーム(ピボットベアリング仕様)
・アルミシートベース
※エンジン一式は付属なし
【適合】
・モンキー系横型エンジンに対応
・カウル、シートはNSF100用対応
・前後ホイール、ステアリングステム、ガソリンタンクはNSF100、NSR Miniに対応
モンキー用社外フレームは、アルミスイングアームやアルミ削り出しパーツでもお馴染みの『Gクラフト』等からもリリース。種類はアルミ削り出しタイプが多く、『OVERレーシング』でも様々なタイプをラインナップ。写真上はネック長を30mmロング化した「OV-33フレームキット」。
OV-33フレームキットは、ネイキッドレーサーの走りをコンセプトに開発された高剛性アルミフレーム。クレードルフレーム構造を意識したダウンチューブにより、ハイパワーエンジンを確実にマウント。独自のセミツインチューブの採用により、ピボット剛性に優れ、Φ12ピボットシャフトにも対応する。価格は20万9000円(税込)。
1098シリーズは、999 シリーズの後継として2007年に登場したスーパースポーツモデル。エンジンは「テスタストレッタ・エボルツィオーネ」と呼ばれる新型を搭載。スーパーバイク世界選手権のルール改正に合わせ、1099ccまで排気量アップされているのがポイントだ。
レースに出場するための車両承認用に定められた、台数限定のスペシャルモデル「1098R」、前後にオーリンズ製サスペンションを装備した「1098S」、スタンダードな「1098」の3モデルで構成。
低めに抑えつつ、シャープなイメージにデザインされた戦闘的なフォルムのフロントカウル、限界までバンク角&エキパイの管長を確保できる後方2本出しマフラー、片持ち式のプロアーム型スイングアームなど、スポーティな機能が惜しみなく盛り込まれている。