TEXT●ノア セレン
PHOTO●山田俊輔
ハーレーに詳しくない人からすると、そもそも「ファミリー」って何でしたっけ? となることがあるが、今や色々統合されてわかりやすくなっている。水冷750ccのストリート、昔からあるスポーツスター、そしてこのソフテイル、と3つに大別。色々バッグとかついたツーリングファミリーもあるけれど、以前あった「ダイナ」がなくなってソフテイルに統合されたから色々シンプルでありがたい。
こうして新しく大きなファミリーとして再スタートしたソフテイルは、ご存知のようにシート下に隠れた1本サスを備えた、昔ながらのリジットフレーム的なルックスを持つ構成。これにカムを1本に戻し、かつてのフィーリングや極低回転アイドリングを実現したミルウォーキーエイトエンジンの排気量違い2種類のいずれかが載っている、ということだ。
デラックスはこのソフテイルフレームにミルウォーキーエイトの107ci、小さい方の排気量を積んで、昔ながらのスタイリングを与えたもの。ホワイトウォールタイヤや3連のライト、鞍シートや墓石型のテールライトが伝統的で、冒頭に書いた昔のアメリカ映画に出てきそうな雰囲気を出している。とてもナチュラルなポジションを作り出してくれるプルバックハンドルとしっかりお尻をサポートするシート、広いステップボードで、あの頃の映画に出演している気分で走り出す。
デラックスという名前からは様々な装飾品が多いような印象も受けるものの、実は逆にスマートでシンプルというのがこのモデルの魅力だ。重量も比較的軽く、ポジションにも無理がなく、エンジンの反応も思い通りで、煌びやかなスタイリングからは想像しなかった付き合いやすさがあった。
やはり何よりも印象が良いのはポジションだ。手前に引かれたプルバックハンドルは大きな車体(ハーレーは皆そうだが)をコントロールするのに最適でフロント周りの重さを感じさせないし、低重心に貢献する低いシートはバイクの芯をしっかりとらえさせてくれて低速でもフラフラするようなことはない。ステップボードは遠くて最初は小柄な人には厳しいかと思ったが、肝心のペダル類は遠くなく、ボードの手前の方に足を置けば操作が難しいということはないだろう。細身のリアタイヤのおかげもあって操作感よく、交差点の右左折など本当に軽やかだった。
エンジン:Milwaukee-Eight® 107
ボア:100 mm
ストローク:111 mm
排気量:1,746 cc
圧縮比:10.0:1
フューエルシステム:電子シーケンシャルポートフュエルインジェクション(ESPFI)
エキゾースト:2-2ショートデュアル、マフラー内触媒
全長:2,415 mm
シート高:680 mm
最低地上高:115 mm
レイク(度): 30
トレール:145 mm
ホイールベース:1,630 mm
フロントタイヤ:MT90B16 72H
リアタイヤ:MU85B16 77H
燃料容量:18.9 L
オイルタンク容量:4.7 L
出荷時重量:303 kg
車両重量:316 kg
エンジントルクテスト方法:EC 134/2014
エンジントルク:145 Nm
エンジントルク(RPM):3,000
リーンアングル、右(度):28
リーンアングル、左(度) :28
プライマリードライブ:チェーン式、ギア比:34/46
ギアレシオ(全体)1ST:9.311
ギアレシオ(全体)2ND:6.454
ギアレシオ(全体)3RD :4.793
ギアレシオ(全体)4TH:3.882
ギアレシオ(全体)5TH:3.307
ギアレシオ(全体)6TH:2.790
フロントタイプ:クロームスチールレース
バックタイプ:クロームスチールレース
ブレーキ、キャリパータイプ:フロント固定4ピストン、リアフローティング2ピストン
ライト、インジケーターランプ:ハイビーム、ターンシグナル、ニュートラルランプ、油圧警告灯、エンジンチェックランプ、ABS、バッテリー警告灯、燃料警告灯
ゲージ:5インチのアナログスピードメーターに、デジタルギア、オドメーター、フューエルレベル、時計、トリップメーター、航続可能距離、タコメーター表示