ボルグワーナーは、優れた合金鋼の採用によって向上した高温性能を備えるツインスクロールターボチャージャーを、BMWグループの新しい3.0ℓ直列6気筒ガソリンエンジン向けに供給している。

 BMWの幅広い乗用車に使用されているこのエンジンには、中/高ふたつの性能オプションがあり、250〜280kWのパワーと500〜550Nmのトルクを提供する。




 ボルグワーナーのツインスクロールターボチャージャーを6気筒エンジンで使用する場合、マニフォールドは前後3気筒ずつで2系統、ふたつのタービンハウジングに分かれる構造。この方式では、排出ガスの脈動流が互いに影響しない。ふたつのノズルがタービンに向けられ、一方は小型かつ先端が鋭角で低回転時のレスポンスを高め、他方は大型かつ先端が鈍角で高出力要件に対応する。




 シングルスクロールターボチャージャーに比べ、ツインスクロール設計は排出ガスからより多くのエネルギーを回収し、背圧の寄生損失を最小化し、エンジン低回転時のレスポンスを向上させる。




 ボルグワーナーのターボチャージャーにおける大規模なイノベーションの中核を成しているのは、高度な耐高温性材料を使用し、より高い燃焼温度を可能にしている点。その結果、BMWの高効率排出制御システムを支える、優れた燃料気化燃焼とよりクリーンな排出ガスが実現した。




 ボルグワーナーのエミッション/サーマル/ターボシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥール氏(Joe Fadool)は、「ツインスクロール技術は、ツインターボのアプリケーションと同等の性能を発揮します。また、より小型のパッケージでより軽量かつ低コストです。BMWと共にこのような最新設計の開発と供給に取り組めたことを嬉しく思います。本設計には、先進的な高温合金と鋳造技術が用いられており、完成車メーカーは当社の技術を用いて快適な運転、優れた性能、エンジン低回転時の俊敏なレスポンスを兼ね備えたエンジンを開発することができます。このプロジェクトの成果により、今後BMWの多くの乗用車にボルグワーナーのターボチャージャーが搭載される予定です」と述べている。

BMW・B58型直列6気筒エンジン。ターボチャージャーはひとつ。これは2015年登場時の姿なので、ボルグワーナーのツインスクロールが搭載されていないものと思われる。(PHOTO:BMW)

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ボルグワーナー:ツインスクロールターボチャージャーをBMW直6に提供