・ Garrett Motion
・ BorgWarner Turbo Systems
・ Mitsubishi Heavy Industries Engine &Turbocharger
・ IHI Turbo
・ Cummins
・ BMTS Technology
・ Continental
各種の情報からシェアを調べてみると、ギャレットとボルグワーナーが2強でそれぞれ3割程度、IHIとMHIが1割5分程度と、この4社でほぼ寡占している状況である。ボッシュとマーレは合弁会社を立ち上げ、コンチネンタルは単独でこの市場に乗り込んだがシェアはまだ少なく、カミンズは中型/大型ディーゼルに特化した過給機戦略なのでカウントからは外れているようだ。
ハネウェル(Honeywell)グループに属する過給機ブランドで、古くからのクルマ好きからもその名前に馴染みは深い。Honeywell Transportation Systemsの社名を2018年10月5日にGarrett Motionに変更した。
画像はe-Turbo。業界初の電気アシストターボで乗用車向け、同社は「1500回転という低回転においてねらうトルクを立ち上げるのに1秒。現行ターボであれば4.5秒かかる。試算では出力は16%、トルクは10.5%向上、60〜100km/hの加速時間は11秒から8.8秒と25%短縮できる」とアナウンスする。2021年のローンチをねらう。
ボルグワーナーというと変速機をはじめとするドライブトレインの会社という印象が強い方もいらっしゃるだろう。過給機サプライヤーとしては1899年にKühnle, Kopp &Kauschとして誕生した合弁会社が始祖。こちらも古くからのクルマ好きなら「KKK」といったほうが通りがいいかもしれない。1997年にボルグワーナーが株式の過半数を取得、同社の傘下に収まり現在に至る。ガソリンエンジン用のVTG(可変タービンジオメトリ)式ターボチャージャーをポルシェに収めたのがトピックのひとつ。
こちらも最新製品としてはeTURBOを提案、「エンジンの定速回転時におけるトルクの向上とともに、過渡領域のブースト上昇の応答性を200%以上も改善。エンジンの背圧を高めることでオンデマンドでEGR(排気再循環)効果を高め、排気ガスを低減することが可能」としている。
三菱重工業のターボ部門を担う会社で、2016年5月17日にエンジン/ターボチャージャー事業を分割するかたちで設立された。小型ターボチャージャ「TCシリーズ」による小型車/二輪車の出力向上に早くから努めたのが同社の特徴で、さらにその後高出力志向のTDシリーズを開発した。日本のお家芸とも言える小型化を得意とし、世界最小レベルのシンプルなターボチャージャー製造を得意とする。
2007年7月に、石川島汎用機械から過給機/圧縮機の生産営業活動を継承して設立した。乗用車のグローバルシェアでは先述のように1割5分程度にとどまるが、国内で眺めればシェアの大半を誇る。モーターファン・イラストレーテッドとしてはなんといっても1993年のマツダ・ミラーサイクルエンジンに搭載されたリショルムコンプレッサが特筆。
ボッシュとマーレが2008年に起こしたジョイントベンチャー:ボッシュ・マーレ・ターボシステムズは、当時欧州でスタンダードだった直噴ターボエンジンにターボチャージャーを供給することを目的とした会社。しかし10年後の2018年には香港の投資会社ファウンテインヴェスト・パートナーズに売却、BMTS Technologyの名称は残したまま事業活動を継続している。
2012年に過給機マーケットに参入したコンチネンタル。後発ながらメガサプライヤらしく自動車メーカーへの採用実績は少なくなく、フォード・エコブースト1.0やアウディTFSIなどへの搭載がトピックとして挙げられる。画像はRAAX Turbochargerで、排ガスのタービンホイールへの流入路角度を工夫しラジアル軸流化、慣性を低減する構造とした。アウディのEA888 Gen.3B、いわゆるライトサイジングエンジンに載せられている。