19年末には販売ボリュームの大きい新型1シリーズを投入。20年に向けて盤石の体制を築いている。
そんなBMWが20年の最初に日本市場に放ったのが、フラッグシップである8シリーズのなかでも究極の存在といえるM8 グランクーペである。
全長5.1m、ホイールベース3mの伸びやかな4ドアクーペボディにBMW M社が開発したV型8気筒4.4Lを搭載し、8速ATとAWDシステムを組み合わせる。
最高出力は600ps、上級グレードのCompetitionで625psを発生。最大トルクは750Nmとアナウンスされている。
だがプロダクトマネージャーの御館(おたち)康成氏曰く、「最高出力を引き上げることじたいは、それほど難しいことではない」という。「重要なのは、そのハイパフォーマンスをドライバーが意のままに引き出せること」
そこでBMW M社が導き出したのが、クロスバンク型エキゾーストマニホールドだ。
従来、V型エンジンのエキゾーストマニホールドは、バンクの外側に設けられていた。排気は左右のバンクごとに集合されるため、通常のクロスプレーンV8であれば排気干渉も発生する。
それをバンクの内側にクロスさせるように配置し、排気干渉なくスムーズにターボチャージャーへ排気ガスを導くように効率化を図ったのがBMWのクロスバンク型エキゾーストマニホールドなのだ。しかもターボチャージャーはツインスクロールタイプであり、もはや「ターボラグを解消するために考え得る手段はすべて注ぎ込まれている」と言っていい。御館氏によれば、「コーナーの出口でアクセルを空けた瞬間にライバルを置き去りにできる」ほどのレスポンスの良さだという。
ブレーキは新型M8で初めて採用されたM専用インテグレーテッド・ブレーキシステムで、ブレーキの作動、ブースター、ブレーキ制御の各機能をコンパクトに統合するとともに非バキューム式のブースターを採用することで約2kgの軽量化も実現。ブレーキ圧は電動アクチュエーターによって生成され、素早く正確な制御を可能としている。
インテリアにも当然ながらMならではのスペシャルな仕立てが施され、さらにBMW Individualと呼ばれるオーダーメイドプログラムによって、自分だけの一台を作り上げることも可能だ。
価格はM8 グランクーペが2194万円、M8 グランクーペが2397万円で、2月上旬よりデリバリーが開始される。
■BMW M8 グランクーペ
全長×全幅×全高:5105×1945×1420mm
ホイールベース:3025㎜
車両重量:2000㎏
エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:4394㏄
最高出力:441kW(600㎰)/6000rpm
最大トルク:750Nm/1800〜5600rpm
車両価格:2198万円
■BMW M8 グランクーペ Competition
全長×全幅×全高:5105×1945×1420mm
ホイールベース:3025㎜
車両重量:2000㎏
エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:4394㏄
最高出力:460kW(625㎰)/6000rpm
最大トルク:750Nm/1800〜5850rpm
車両価格:2397万円