月間登録台数:7100台(19年6月〜11月平均値)


現行型発表:14年1月(一部改良 19年1月)


JC08モード燃費:23.8km/ℓ ※ハイブリッド車




REPORT●山本 晋也(YAMAMOTO Shinya)


PHOTO●中野 幸次(NAKANO Koji)/平野 陽(HIRANO Akio)


MODEL●藤木 由貴(FUJIKI Yuki)




※本稿は2019年12月発売の「2020年 最新ミニバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

標準ボディは5ナンバーだが、 エアロ仕様「ZS 」はバンパーやフェンダーが専用の3ナンバ ーボディで、タイヤも16インチとなる(他は15インチ)。BBS製アルミホイールを標準装備するのは「ハイブリッドZS」のみ。

■主要諸元 ハイブリッドZS


全長×全幅×全高(㎜):4710×1735×1825


室内長×室内幅×室内高(㎜):2930×1540×1400


ホイールベース(㎜):2850


トレッド(㎜) 前/後:1500/1480


車両重量(㎏):1630


エンジン種類:直列4気筒DOHC+モーター


総排気量(㏄):1797


エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):73[99]/5200


エンジン最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):142[14.5]/4000


モーター最高出力(k W[㎰]):60[82]


モーター最大トルク(Nm[㎏m]):207[21. 1]


燃料タンク容量(ℓ):50(レギュラー)


トランスミッション形式:電気式無段変速機


駆動方式:FF


タイヤ・サイズ:205/55R16


最小回転半径(m):5.5


JC08モード燃費(㎞/ℓ):23.8


車両本体価格:334万7300円

先進安全装備

フロントウインドウ内側に赤外線レーザーレーダーと単眼カメラを一体化したセンサーユニットを設置、前方検知を行なう先進安全装備を装備。ソナーによるペダル踏み間違え加速抑制機構は前進・後退の両方に対応する。

撮影車両データ

ボディカラー:イナズマスパーキングブラックガラスフレーク


オプション装備:T-Connectナビ10インチモデル DCMパッケージ(34万4300円)/ワンタッチスイッチ付きパワースライドドア(6万2700円)/リヤオートエアコン+寒冷地仕様(6万9300円)/特別塗装色(3万3000円)/他

ボディカラー

インパネ

インパネからドアトリムまでディープレッドをつなげた個性的なカラーは「ZS」専用色。大きな10インチナビはディーラーオプションだ。エンジンフードのキャラクターラインが目立つためノーズ位置が把握しやすい点はヴォクシーの乗りやすさを象徴する。

乗降性

1列目:助手席シート高740㎜ ステップ高365㎜

2列目:シート高750㎜ ステップ高345㎜
3列目


前席はとてもスムーズに乗り込めるが、Aピラーからルーフにかけての傾きは若干気になる。大柄な人は乗降の際に頭の干渉に気を付けたい。スライドドアのステップは前方に行くほど低く、アシストグリップも備わるので小柄な人でも乗り込みやすい。全体に開口部も広く、3列目の乗降性も良好だ。

ミラー・トゥ・ミラー:2065㎜ 全幅1735㎜
開口高:500㎜ 全高1825㎜


リヤゲート地上高:1840㎜ 全長:4710㎜ 最小回転半径:5.5m

エアロボディはバンパーの違いにより、わずかに全長が伸びているが取り回し性の違いは感じられない。最小回転半径は標準車と同等だ。真横からの写真で注目したいのはスライドドアの開口部だ。その最大幅は805㎜もあり、ミニバン・ナンバーワンの広さとなっている。開口部の3列目側がえぐられているのは乗降性を向上させる工夫のひとつだ。

居住性

1列目


いまどきの基準では太めのAピラーは気になるが、車両感覚はつかみやすい。座面の前後方向に余裕があり、身体全体を支えてくれる。快適温熱機能も与えられている点も、このクラスでは贅沢だ。ステアリングはチルト&テレスコピック調整が可能。

3列目
2列目


2列目キャプテンシートは810㎜のスライドが可能でポジションの自由度は高い。両側アームレストを備えるが、全体に浅く腰掛ける印象だ。3列目シートは頭上・膝まわりとも余裕があり、リクライニング機構付きで快適性は高い。ただし中央はエマージェンシー的だ。

ラゲッジルーム

通常時:高さ1240㎜ 奥行き400㎜

2+3列目格納時:幅980㎜ 奥行き1780㎜
3列目格納時:奥行き1220㎜


2列目のキャプテンシートは畳めないため奥行きは稼げないが、中央のスペースをうまく利用すれば2.2m程度の長尺物を積むことはできる。最大時の奥行きが必要ならば、チップアップしてコンパクトに格納できる8人乗り仕様の2列目ベンチシートを選ぶべきだろう。3列目シート格納時の張り出しが少ないのは美点。格納部分の横幅は980㎜と広い。

うれしい装備

インパネから引き出して使うセンターマルチトレーは、この兄弟モデルに共通のアイデア装備。小物入れ、小物入れ+カップホルダー(1個)、さらにカップホルダー(2個)と、状況に応じた使い方ができる。

深さが約200㎜と使い甲斐のあるラゲッジ床下収納を全車に装備。ハイブリッドは右側に鉛バッテリーを積むためガソリン車より狭くなる。

ハイブリッド/ガソリン車とも「ZS」と「V」グレードのリヤゲートに電磁式のイージークローザーが標準装備される。力の弱い人でも、確実に閉めることができるのはうれしい。

モーターだけで走行する「EVモード」を用意するのはハイブリッドの特徴。燃費重視の「ECOモード」、パワフルな走りの「PWRモード」も選択できる。

センターロワボックス部にUSB充電ソケット(2個)を標準装備、スマートフォンを充電しながら置いておくのにちょうどいい。
2列目キャプテンシート間の折り畳み式サイドテーブルは3列目からも使いやすい。カップホルダー前後に配置されている。


リヤオートエアコンを一部グレードに標準装備。その他のグレードもリヤクーラーが標準で、エアコンもオプションで選択できる。
運転席背面に標準装備されるコンビニフックは余裕の耐荷重4㎏仕様。助手席の背面にはシートバックテーブルが装備されている。


SEAT ARRANGE

7人乗り:1列目シートフルフラット状態
7人乗り:2名乗車+自転車積載状態


8人乗り:2+3列目シートフルフラット状態
8人乗り:5名乗車+最大ラゲッジスペース


7人乗り、8人乗りの違いは2列目シートにある。最大積載モードでのラゲッジスペースでいえば8人乗り仕様が有利だが、長尺物を積んで4名乗車をしようと思うと7人乗りの方がスマートなケースもある。8人乗りの2列目ベンチシートは6対4分割で、最大580㎜のスライドができる。2+3列目のフルフラットモードは、7人乗りでも可能だ。

バイヤーズガイド

機能と価格を考えると、自然吸気エンジンの「X」が割安だ。これにサイド&カーテンエアバッグなどを加える。装備差を補正するとハイブリッドは約36万円高いが、税額の違いで29万円に縮まる。9万㎞を走ると、燃料代で実質差額を取り戻せる。走行距離に応じて「ハイブリッドX」も検討したい。

駆動方式はハイブリッドがFFのみ、アクティブトルクコントロール式4WDはガソリン車のみに設定する。「ZS」はエアロ仕様、「ZS“GR SPORT”」はエクステリアや足まわりに手を加えたスポーツコンバージョンモデルだ。

ハイブリッドX
ハイブリッドV


ハイブリッドZS

情報提供元: MotorFan
記事名:「 〈トヨタ・ヴォクシー〉家族想いの人気車は最新の改良で安全性を強化【ひと目でわかる最新ミニバンの魅力】