現行型発表:14年1月(一部改良 19年1月)
JC08モード燃費:23.8km/ℓ ※ハイブリッド車
REPORT●山本 晋也(YAMAMOTO Shinya)
PHOTO●中野 幸次(NAKANO Koji)/平野 陽(HIRANO Akio)
MODEL●藤木 由貴(FUJIKI Yuki)
※本稿は2019年12月発売の「2020年 最新ミニバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
■主要諸元 ハイブリッドZS
全長×全幅×全高(㎜):4710×1735×1825
室内長×室内幅×室内高(㎜):2930×1540×1400
ホイールベース(㎜):2850
トレッド(㎜) 前/後:1500/1480
車両重量(㎏):1630
エンジン種類:直列4気筒DOHC+モーター
総排気量(㏄):1797
エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):73[99]/5200
エンジン最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):142[14.5]/4000
モーター最高出力(k W[㎰]):60[82]
モーター最大トルク(Nm[㎏m]):207[21. 1]
燃料タンク容量(ℓ):50(レギュラー)
トランスミッション形式:電気式無段変速機
駆動方式:FF
タイヤ・サイズ:205/55R16
最小回転半径(m):5.5
JC08モード燃費(㎞/ℓ):23.8
車両本体価格:334万7300円
ボディカラー:イナズマスパーキングブラックガラスフレーク
オプション装備:T-Connectナビ10インチモデル DCMパッケージ(34万4300円)/ワンタッチスイッチ付きパワースライドドア(6万2700円)/リヤオートエアコン+寒冷地仕様(6万9300円)/特別塗装色(3万3000円)/他
前席はとてもスムーズに乗り込めるが、Aピラーからルーフにかけての傾きは若干気になる。大柄な人は乗降の際に頭の干渉に気を付けたい。スライドドアのステップは前方に行くほど低く、アシストグリップも備わるので小柄な人でも乗り込みやすい。全体に開口部も広く、3列目の乗降性も良好だ。
エアロボディはバンパーの違いにより、わずかに全長が伸びているが取り回し性の違いは感じられない。最小回転半径は標準車と同等だ。真横からの写真で注目したいのはスライドドアの開口部だ。その最大幅は805㎜もあり、ミニバン・ナンバーワンの広さとなっている。開口部の3列目側がえぐられているのは乗降性を向上させる工夫のひとつだ。
いまどきの基準では太めのAピラーは気になるが、車両感覚はつかみやすい。座面の前後方向に余裕があり、身体全体を支えてくれる。快適温熱機能も与えられている点も、このクラスでは贅沢だ。ステアリングはチルト&テレスコピック調整が可能。
2列目キャプテンシートは810㎜のスライドが可能でポジションの自由度は高い。両側アームレストを備えるが、全体に浅く腰掛ける印象だ。3列目シートは頭上・膝まわりとも余裕があり、リクライニング機構付きで快適性は高い。ただし中央はエマージェンシー的だ。
2列目のキャプテンシートは畳めないため奥行きは稼げないが、中央のスペースをうまく利用すれば2.2m程度の長尺物を積むことはできる。最大時の奥行きが必要ならば、チップアップしてコンパクトに格納できる8人乗り仕様の2列目ベンチシートを選ぶべきだろう。3列目シート格納時の張り出しが少ないのは美点。格納部分の横幅は980㎜と広い。
7人乗り、8人乗りの違いは2列目シートにある。最大積載モードでのラゲッジスペースでいえば8人乗り仕様が有利だが、長尺物を積んで4名乗車をしようと思うと7人乗りの方がスマートなケースもある。8人乗りの2列目ベンチシートは6対4分割で、最大580㎜のスライドができる。2+3列目のフルフラットモードは、7人乗りでも可能だ。
機能と価格を考えると、自然吸気エンジンの「X」が割安だ。これにサイド&カーテンエアバッグなどを加える。装備差を補正するとハイブリッドは約36万円高いが、税額の違いで29万円に縮まる。9万㎞を走ると、燃料代で実質差額を取り戻せる。走行距離に応じて「ハイブリッドX」も検討したい。