月間登録台数:79台


現行型発表:10年11月(一部仕様変更 19年10月)


JC08モード燃費:15.0km/ℓ ※「TSI」系




REPORT●山本晋也(YAMAMOTO Shinya)


PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)


MODEL●林あやの(HAYASHI Ayano)




※本稿は2019年12月発売の「2020年 最新ミニバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

「ハイライン」グレードは17インチタイヤを履くが、ディーゼルとガソリン車でアルミホイールの意匠を変えているため、遠目にも識別できる。「トレンドライン」、「コンフォートライン」は16インチタイヤを履く。

■主要諸元 TDI ハイライン


全長×全幅×全高(㎜):4855×1910×1765


室内長×室内幅×室内高(㎜):—


ホイールベース(㎜):2920


トレッド(㎜) 前/後:1555/1605


車両重量(㎏):1900


エンジン種類:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


総排気量(㏄):1968


最高出力(kW[㎰]/rpm):130[177]/3500-4000


最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):380[38.8]/1750-3250


燃料タンク容量(ℓ):73(軽油)


トランスミッション形式:6速DCT


駆動方式:FF


タイヤ・サイズ:225/50R17


最小回転半径(m):5.8


WLTCモード燃費(㎞/ℓ):14.0


車両本体価格:529万6000円

先進安全装備

衝突被害軽減ブレーキはミリ波レーダーを利用するタイプ。車線逸脱検知用に単眼カメラも積んでいる。独自の機能として、エアバッグの作動時に10㎞/h以下まで減速させる「ポストコリジョンブレーキシステム」を搭載する。

撮影車両データ

ボディカラー:アトランティックブルーメタリック


オプション装備:レザーシートパッケージ(25万3000円)/フロアマット[プレミアムクリーン](8万2500円)

ボディカラー

インパネ

シンプルでオーソドックスなインパネデザイン。「TDI ハイライン」に標準装備の7インチワイド画面のナビシステムは、専用アプリを入れたスマートフォンとも連携する機能も持つ。視界は広々としているがエンジンフードは見えず、ノーズを把握するのは難しい。

乗降性

1列目:助手席シート高660㎜ ステップ高430㎜

2列目:シート高745㎜ ステップ高450㎜
3列目


1列目は座面がそれほど高くない上、座面形状も適切で乗り降りしやすい。後席はスライドドアの関係からフロアが高く、特に降りる時には地面までの高さを感じるだろう。2列目シートが十分にスライドする上、開口部も十分に広いため3列目へのアクセスは良好。大人でも狭さを感じないレベルだ。

ミラー・トゥ・ミラー:2080㎜ 全幅:1910㎜
開口高:670㎜ 全高:1765㎜


リヤゲート地上高:1900㎜ 全長:4855㎜ 最小回転半径:5.8m

全幅1910㎜の立派なボディは狭い住宅街では持て余し気味だが、ミラー・トゥ・ミラーは、このクラスではむしろ狭いくらいで、都市部であればボディサイズはさほど気にならないだろう。リヤゲートの地上高は電動開閉スイッチの位置で計測したもの。ゲートのアウターパネルの高さがあるため天井の低いガレージなどでは干渉に気を付けたい。

居住性

1列目


撮影車はオプションのレザーシートとなっているが、標準はアルカンターラ&レザーのコンビタイプだ。座面のしっかり感があり、お尻から背中にかけて身体を支えてくれる。サイドの張り出しは最小限で乗り降りの邪魔をしないのは美点だ。

3列目
2列目


2+3+2レイアウトの7人乗り仕様。2列目はほぼ同サイズの3分割独立シートとなっており、中央席でもネガは感じない。また、それぞれ独立してスライド(約16㎝)することもできる。3列目はシートサイズに余裕があり、スペースも不満のないものだ。

ラゲッジルーム

通常時:高さ1125㎜ 奥行き470㎜

2+3列目格納時:幅1080㎜ 奥行き2120㎜
3列目格納時:奥行き1210㎜


4リンクサスペンションは張り出しが最小限で、いかにも効率的なパッケージのラゲッジスペースを生み出している。全席使用時でも300ℓのラゲッジスペースを確保、2列目/3列目を格納すると2297ℓと広大なラゲッジスペースが生み出せる。3列目は床下格納するタイプだが、操作には少々重さを感じる。なお、3列目を格納すると荷室高は875㎜となる。

うれしい装備

「シーリングトレー(オーバーヘッドコンソール)」はタンデムで用意され、1列目と2列目の乗員がそれぞれ活用できるようになっている。2列目のトレーはマグライトやペンが嵌るような形状に工夫されている。

「トレンドライン」以外には、1列目の背面にカップホルダー付きシートバックテーブルを装備する。休憩時に役立つアイテムだ。

インパネまわりの物置スペースといえるのがダッシュボード上のリッド付き小物入れ。スマートフォンはこの場所か、グローブボックスが定位置となるだろう。
信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持するオートホールド機能を持つEPB(電動パーキングブレーキ)が全車に標準装備されている。


1列目とは異なる温度に設定できる3ゾーンのオートエアコンを備える。後席用エアコン吹き出し口は天井に設置されている。
後席用のエアコン操作パネルはセンターコンソール背面に設置される。その下には充電用のUSBソケットが2個用意されている。


ラゲッジスペース壁面にプラスチックのリッド付き小物入れが用意される。ウエスなどを入れておくのにちょうど良いスペースだ。
3列目の使用、格納に合せてトノカバーの取り付け場所を移動できるという配慮がうれしい。トノカバーは全車に標準装備される。


SEAT ARRANGE

7名乗車+ラゲッジスペース
5名乗車+ラゲッジスペース


2名乗車+ラゲッジスペース
1名乗車+長尺ラゲッジスペース


フル乗車でもそれなりのラゲッジスペースを確保しているが、2列目・3列目を格納した際のフラットで広大なラゲッジには驚かされる。さらに助手席を前倒しすれば2.95mの長尺物を搭載することも可能だ。なお、シートがしっかりとしているためかもしれないがアレンジをする際に重さを感じることもあるのは、国産車との違いを感じる部分だ。

バイヤーズガイド

予算が許せば「TDI ハイライン」が旬の選択だが、コスパ重視なら「TSI コンフォートライン」が狙い目か。ただ、その場合はレーンキープアシストや後方死角検知機能、リヤトラフィックアラートをパックにした約20万円の「セーフティパッケージ」は最初から計上しておくべし。

1.4ℓのガソリンターボ、2.0ℓディーゼルターボと2種類のパワートレーンを設定。いずれのエンジンも6速DCTと組み合わせられるが、それぞれ変速比は異なっている。パワー、トルクともディーゼルがガソリンを上まわる。

TSI トレンドライン
TSI コンフォートライン


TDI ハイライン

情報提供元: MotorFan
記事名:「 〈フォルクスワーゲン・シャラン〉クラスを超えるパワフルな”TDI”【ひと目でわかる最新ミニバンの魅力】