VSI Labsが実施した実証試験では、HEREのレーンレベルのデータと車両センサーが連携することで、ADAS機能の性能と安全性を高めていることが実証された。たとえばHERE Lanesは、高速道路や交差点での合流時や、霧、雨、雪の影響で車載光学センサーの感度が下がった場合に、ADASのレーン維持機能(Lane Keep Assist)を強化する。
HEREの自動運転部門の責任者であるSheila Nedelcu氏は、次のように述べている。「ADASは、グローバル規模で交通安全を向上させる機会を速やかにもたらします。同時に、技術的観点およびエンドユーザーによる採用の観点において、ADASは完全自動運転へのかけ橋となります。HERE Lanesは、自動車メーカーやソフトウェア開発者があらゆる天候条件下における現行のADAS機能を改善し、レーンレベルでのポジショニング、ガイダンス、視覚化機能を駆使した次世代のアプリケーションを開発するのに必要なデータを提供します」
HERE Lanesに先立ち、アプリやデバイスによってリアルタイムで危険を察知し、ドライバーが十分な情報に基づいて意思決定を行うことを可能にするHERE Live Sense SDKもこのほど発表された。HERE Live Sense SDKは、人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用することで、スマートフォン、ドライブレコーダー、車載カメラのような車載フロントカメラを備えたデバイスを高度なインテリジェント車載センサーに変える。これらのデバイスは、ドライバーの周囲環境を常にスキャニングすることにより、路上の物体(他の自動車、歩行者、自転車など)、道路インフラ(信号機や道路標識など)、潜在的な危険性(道路上の穴、通行止め、工事中の区域など)を検出し、ドライバーにアラーム音や視覚的な警告で回避を促す。