マグネシウムはアルミより材料強度に優れており、軽い(マグネシウムの比重1.7に対し、アルミニウムは2.7)という利点がある。高回転まで使う2輪のレース用は軽さを求めて積極的な検討がなされているようだが、まだ研究段階であり、4輪も含めてなかなか実用化に至らないのは、やはりコストの問題だ。
「素材としてはよくても、いまの段階ではお客様にご提供できる価格帯にはなっていません。鍛造化によって材料ロスを減らしたり、マグネシウムは表面処理をしないと耐熱性的に厳しいので、効率のよい製造方法も検討が必要でしょう。また、アルミより熱伝導率が悪いので、クーリングチャンネルを付けるのも必須となると思います。そういった課題を第2、第3フェーズでテストしていき、信頼性を確保していくことになると思います」(同エンジニア氏)
マグネシウム合金ピストンの実用化に向けては超えなければいけない壁は多いものの、HKSはRB26DETTエンジンの進化に向けてチャレンジしている。RB26ユーザーにとっては嬉しいニュースではあり、早期実用化に期待しようではないか。